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■消防費について
◎松原成文
  12款1項消防費についてお伺いいたします。昨日3月7日は消防記念日でございます。これは消防が警察から独立した日ということでございまして、昭和23年3月に消防組織法が施行されました。川崎市におきましても、これによりまして1課4係2署7出張所、消防吏員163名、消防車両が23台、救急車1台の陣容で発足をしたということでございます。救急に対する市民の期待と信頼は非常に高いものと認識をしております。課題についても様々あるわけで、本予算審査特別委員会についてもいろいろな質問が出ました。そこでお伺いします。救急車の適正利用についてということも含めまして、今後の救急出場の件数の想定数、財政に与える影響について消防局長にお伺いいたします。
◆原田俊一 消防局長
 今後の救急需要についての御質問でございますが、救急出場件数につきましては、過去10年間で2万4,000件以上増加しているところでございまして、神奈川県が作成した別冊神奈川県地域医療構想に係るデータ集におきましても、今後、川崎市の救急需要は増加すると想定されているところでございます。また、救急需要の推移に伴い、救急業務に関わる経費に一定の影響があるものと考えられます。以上でございます。
◎松原成文
 ありがとうございました。救急需要につきましてでありますけれども、非緊急、軽症者の利用をどのように抑制されているのか、お伺いいたします。
◆原田俊一 消防局長
 救急車の適時適切な利用についての御質問でございますが、適時適切な利用につきましては、啓発活動としてSNSへの投稿やJR川崎駅アゼリアビジョン等においての動画上映、かわさきFMでのラジオ放送の活用、緊急度、重症度が分かりやすいようイラストを用いたチラシを各種イベントにおいて配布するなどの広報を行ってきたところでございます。また、市民の皆様が急な病気やけがの際に、救急車を呼ぶべきか、すぐに医療機関を受診するべきかを迷った場合の判断の一助となることを目的として、川崎市救急受診ガイドをホームページ上に掲載しているところでございます。以上でございます。
◎松原成文
 いろいろな取組をしておるのでありますけれども、なかなかこれは成果が見られないという状況ではないのかなと思います。救急救命士の充足率及び救急救命士を養成するに当たりましての費用、それにかかる期間についてお伺いをいたします。
◆原田俊一 消防局長
 救急救命士についての御質問でございますが、現在、全ての救急隊において救急救命士の常時乗車体制を確保しているところでございます。また、救急救命士の養成費用は、1名につき約200万円でございまして、養成期間は約半年間でございます。以上でございます。
◎松原成文
 200万円、半年間ということでありまして、その半年間は、どなたかがその対応を代わらなければいけないという状況も生じているのかなと心配はしております。救急需要の増加は隊員の仕事の負荷を著しく過大にしているのではないかと思いますけれども、お伺いをいたします。
◆原田俊一 消防局長
 救急隊員の負担についての御質問でございますが、救急需要の増加は隊員の負担につながるものと認識しておりますことから、負担軽減策として、1当務の出場件数や走行距離などにより、救急隊員の交代基準を定めているところでございます。その効果といたしましては、業務の平準化により各隊員の負担軽減に加え、適切な労務管理に結びついているものと考えております。また、帰署できずに食事が取れない場合の対策として、救急搬送後に医療機関の売店等で飲食物の購入を可能とした運用も定めているところでございまして、引き続き救急隊員の負担軽減に向け適切に対応してまいります。以上でございます。
◎松原成文
 それぞれ対応していただいているわけでありますけれども、そこでお伺いいたしますけれども、救急要請を受けましてから消防署所へ戻るまでの所要時間、その間の救急作業の内容、所要時間、走行距離について、それぞれお伺いをいたします。
◆原田俊一 消防局長
 救急活動等についての御質問でございますが、初めに、令和4年中における119番通報の入電から救急隊が帰署するまでの平均時間は86.5分でございます。次に、救急隊の主な活動内容につきましては、指令を受け出場準備を行い、現場へ出場し、現場到着後は傷病者の観察、救急処置、救急車への収容、搬送先医療機関の選定後に搬送を開始し、医療機関に到着となります。また、各活動における令和4年中の平均所要時間及び平均走行距離につきましては、119番通報の入電から現場到着までは10.2分で2.5キロメートル、現場到着から搬送開始までは25.6分、搬送開始から医療機関到着までは10.2分で3.7キロメートルでございます。以上でございます。
◎松原成文
 ありがとうございました。今、消防局長がお話しいただいたのをまとめましたので、ディスプレーをお願いしたいと思います。ちょっと小さいんですけれども、覚知から現場到着まで10.2分、2.5キロメートル、現場到着から搬送開始までが25.6分で、これは動けませんから動かないということ、搬送開始から病院到着まで10.2分で、これは3.7キロメートル、病院到着から病院引揚げ、この間に医師への引継ぎ、次回出場の準備、救急事務処理ということで、これは33.6分かかってございます。病院に引継ぎをしまして、引揚げから帰署までが16分かかっておりまして、3.8キロメートル、合計が10キロメートルで86.5分かかっているということでございます。基本的に本市では救急現場の到着時間を8分としておりますけれども、10.2分ということで、これは心肺機能停止から10分以内に救急処置が行われることが、1か月後の社会復帰率の向上に寄与するというデータに基づいているようでございますけれども、まだ目標に届いていないということでございます。この辺もしっかり取り組んでいただきたいなと思います。  次にお伺いいたします。令和4年の出場件数は8万4,776件、この中で不搬送というのが1万7,814件であります。不搬送の詳細、対応、見解を伺います。
◆原田俊一 消防局長
 不搬送についての御質問でございますが、不搬送の理由といたしましては、辞退、拒否、明らかな死亡などでございます。また、搬送を拒否されたときの対応につきましては、搬送の必要性を説明し、御家族などの協力を得ながら十分な説得を行うこととしておりますが、承諾が得られない場合には、救急車搬送辞退書に署名をいただくとともに、容体が変化したときなどは速やかに救急要請するよう説明することとしております。なお、令和4年中における不搬送件数は前年より増加しましたが、これは新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した際に、発熱等による不安から救急要請に至ったことが影響の一つと推測しているところでございます。以上でございます。
◎松原成文
 搬送が8万4,776件、そのうち1万7,814件が不搬送ということで、途中で結構ですよということになってしまうのかなと思いますけれども、それについての対応もしっかりされているということでございます。この不搬送を下げなければいけないということも課題であろうかと思います。次にお聞きをいたしますけれども、救急需要は今後も増加傾向との答弁をいただいております。5年後、10年後も現状のままの全件対応、全件自前、全件無償、これを維持していけるのか、救急需要に対応できるのか、お伺いをいたします。
◆原田俊一 消防局長
 救急需要への対応についての御質問でございますが、消防組織法において、救急業務は市町村が果たすべき責任を有しており、その費用は市町村が負担することとされておりますことから、今後も市民の安全・安心の確保に向け、救急需要の状況に合わせて適切に対応できるよう取り組んでまいります。以上でございます。
◎松原成文
 全件無償ということで、他都市については有料にするということも――この有料の考え方もいろいろあろうかと思いますけれども、新聞報道によって、全部無料になるということではないのかなと私は思っております。最後にお聞きをいたしますけれども、現場到着と同様に重要なのは病院の到着時間であります。令和4年は病院到着まで46分を要しておりますけれども、見解を伺います。
◆原田俊一 消防局長
 医療機関到着までの時間についての御質問でございますが、救急活動において傷病者を迅速に医療機関へ搬送することは、救急隊の現場到着時間短縮と併せ重要なことと認識しておりますので、引き続き、川崎市メディカルコントロール協議会、関係局、医療関係団体等と連携し、時間短縮に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
◎松原成文
 ありがとうございました。最後と言いましたけれども、最後がありまして、すみません。救急要請を受けた時点では重症、軽症の判別は非常に難しいと思います。重症度、緊急度の判別の現状の課題、取組、対応について伺います。また、今後も救急需要の増加が見込まれる中でありますけれども、救急業務の有効性と効率性をいかに促進されるのか、有効性、効率性についてそれぞれお伺いいたします。
◆原田俊一 消防局長
救急業務についての御質問でございますが、救急要請時に重症度、緊急度を正確に判定することは困難でございますが、傷病者が心肺停止状態であることが判明した場合には、救急車が到着するまでに行う心臓マッサージ等の応急処置について口頭指導を行っているところでございます。また、救急業務の有効性につきましては、救急需要が増加する中におきましても、真に救急車を必要としている傷病者のもとへ確実に出場し、医療機関に搬送できるよう、引き続き救急車の適時適切な利用や救急受診ガイドについて啓発してまいります。さらに、救急業務の効率化につきましては、マイナンバーカードの活用を含め、救急業務のDX化など、国の動向等を踏まえながら適切な対応を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◎松原成文
 ありがとうございました。冒頭にも申し上げましたけれども、救急に対する市民の期待と信頼は非常に高いものがございます。今後も、この期待と信頼を裏切らない、応えられるような救急体制であることを求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。