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■音楽のまち・かわさきストリートピアノ設置について
 商店街や駅などの公共空間に於いて、誰もが自由に弾けるストリートピアノ(駅ピアノ)を置く取り組みが各地に広まっています。街に賑わいを生み出し、音楽が行き交う人を和ませているようですが、残念ながら本市に於いてはこのストリートピアノの存在が見受けられません。設置場所や運営方法、経費、保守等の様々な課題をクリアしなければなりませんが、本市では「音楽のまち・かわさき」を標榜し推進しており、市内には音楽大学をはじめ、関係団体や地域の皆様と連携し、音楽を中心とした芸術や市民文化の創造を通じて、都市の魅力向上に取り組んでいます。

 ストリートピアノは演奏する人、聴く人、教えてもらう人、初めてピアノに触れる子どもなど、自然と人が集まり、音楽による新しい交流の場となる一つの方法となります。またストリートピアノは様々なメディアも好事例として取り上げており、本市がシティプロモーション戦略プランの目標を掲げる「川崎への愛着、誇りの醸成」や「川崎の対外的な認知度やイメージの向上」につながるものと考えます。一方、先にも申しましたが、通行者や買い物客の安全の確保や、設置後の維持管理等の課題がありますので、観光資源としての活用もふまえ、他都市の事例を参考に研究をする事も必要となります。

 神奈川県内では現在横浜市、横須賀市に於いてストリートピアノが設置されています。横浜市では関内駅「マリナード地下街」のほか、馬車道駅に設置されています。運営主体は馬車道、マリナード地下街、伊勢佐木町の頭文字を取ったBMIで、3地区4商店街の代表と(株)有隣堂社長が役員に就任し、その事務局を横浜市都市整備局都市再生課のS係長が事務を執行しております。S係長は退職後再任用で現職にあります。ピアノを設置した経緯は、横浜市役所移転に伴い、停滞する可能性がある関内関外の活性化に向けて、地域商店会が議論を進めてきたところ、都市整備局のS係長に相談があり、ピアノ設置を提案をした隣接部署にちょうど廃棄するピアノがあったため、それを市が寄贈して再利用する事としてBMIストリートピアノ運営委員会が設置されました。とはいえ、完全に市から切り離すことができないためS係長が事務局として関与しています。横須賀市では「ヨコスカ街なかミュージック事業」の目的の一つに挙げている「常に音楽が奏でることができる場所の設置」の一環として、ヨコスカ街なかピアノがモアーズストリートに設置されました。

 両市ともに、音の問題(騒音などの苦情)やいたずらによる破損などの大きな問題もなく、演奏する方にもルールを守り大きなトラブルもなく演奏を楽しんでいただいているとのことです。本市に於いても、今後「音楽のまち・かわさき」の推進に向けた取り組みを検討する中で考え方を整理し、設置に向けての積極的な取り組みを進めるよう担当局に求めてまいります。