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■小中学校等教育課程の編成実施状況について
◎松原成文
   続きまして、小中学校等教育課程の編成実施状況について質問させていただきます。令和元年の教育界の新たな動きということでございまして、4月17日でありますけれども、柴山文部科学大臣は新たな体制となった中央教育審議会で、新しい時代の初等中等教育の在り方について25項目にわたって諮問をしました。2つ目といたしましては、文部科学省は3月29日、平成30年度の小中学校の教育課程の編成実施状況の結果を公表したということでございます。3つ目につきましては、教員の働き方改革に関する通知を教育委員会、学校、首長に出したということでございます。4つ目は、高等学校の普通科の見直しというようなことでございます。もう一つは、スマホを学校に持ち込むということで、文部科学省のほうから通知が出たということでありますけれども、本日につきましては小中学校等教育課程の編成実施状況についてお聞きをしたいと思います。文部科学省は本年3月29日、平成30年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果を発表しました。この結果、多くの公立小学校で標準授業時数を超えて授業を実施していることが明らかになりました。ディスプレーをお願いします。これはちょっと見にくいのですが、大きくしたものがこちらでございまして、これは川崎市の状況です。標準時数がありますけれども、1年生、2年生は大体変わらないのですが、3年生から6年生になりますと標準時数を超えている小学校が非常に多いということがわかります。これは中学校でありますけれども、中学校におきましても、標準時数が多いのですが、それを超えている学校もなくはないということでありまして、1校については1,120時間というところもありまして、川崎市の小学校、中学校では標準時数を超えている授業時間の学校があるということでございます。我が国の将来を担う子どもたちの教育は教師にかかっております。授業時間の実績は、教師が崇高な使命を持って授業を実施されたことを示すものであると私は敬意を表するところでございますけれども、いずれにいたしましても、小学校、中学校の文部科学省で決められた標準時数をオーバーしている理由、オーバーしていることについての見解を教育次長にお伺いいたします。
◆教育次長(石井宏之)
 標準時数についての御質問でございますが、標準授業時数は学習指導要領において定められた各教科の基準とされる確保すべき授業時数でございます。各学校におきましては、標準授業時数を確保することができるように、台風による休校やインフルエンザによる学級閉鎖など不測の事態に備え、年度当初に若干の余裕を持たせた授業時数を設定しております。また、特色ある学校づくりを進める観点から授業時数を付加することもございます。授業時数を含む教育課程は、児童生徒の心身の発達段階の特性及び学校や地域の実態を考慮し、各学校が創意工夫を加えて編成するものでございまして、各学校の状況により年間授業時数が標準授業時数を上回っている場合が多くなっております。以上でございます。
◎松原成文
 平成30年度をさっき見ていただきましたけれども、小学校3年生から6年生では約95%の学校が標準授業時数を超えております。それぞれの超過単位時間数及び要因を伺います。また、あわせて中学校では1年生が16校、2年生が17校、3年生10校が標準授業時数を超過しておりますが、超過している単位時間数、要因を伺います。
◆教育次長(石井宏之)
 標準授業時数を上回る授業時数等についての御質問でございますが、中学校においては、標準を上回っている授業時数の平均は1年生で38.3時間、2年生で39.4時間、3年生で10.6時間となっており、要因といたしましては、不測の事態に備えるとともに、特色ある学校づくりを進める観点から時数の幅が生じているところでございます。また、小学校においては、それらの要因に加え、来年度から新しい学習指導要領の完全実施に伴う移行措置も要因の一つとなっております。各小学校におきましては、総合的な学習の時間、外国語活動、外国語の時数を弾力的に設定していることから、小学校3年生から6年生までにおいて授業時数に幅が見られる状況が生じており、標準を上回っている授業時数の平均は3年生で27.7時間、4年生で26.9時間、5年生で26.2時間、6年生で26.1時間となっております。以上でございます。
◎松原成文
 それぞれ標準時数をオーバーしているということでございます。平成31年度以降の教育課程の編成実施についてということで、これも3月29日に通知があったと思うのでありますが、その中の2番目のところで、標準授業時数を踏まえて教育課程を編成したものの災害や流行性疾患――先ほどインフルエンザというようなことがありましたが――による学級閉鎖等の不測の事態により当該授業時数を下回った場合、下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するとされるものではなく、災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態に備えることのみを過剰に意識して標準授業時数を大幅に上回って教育課程を編成する必要はないとしております。改めて教育長に見解を伺います。あわせて、平成31年度以降の教育課程の編成実施についての考えを教育長に伺います。
◆教育長(小田嶋満)
 教育課程の編成についての御質問でございますが、教育課程の編成実施に当たりましては、各学校の特色を生かしながら、教職員の働き方改革の視点からの授業時数への配慮を行うことは重要であると認識しております。次年度以降につきましては、教職員の負担軽減と児童生徒の知・徳・体の調和のとれた生きる力の育成とのバランスを考慮しながら、各学校が適切に教育課程を編成実施できるよう支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
◎松原成文
 ディスプレーは結構です。ありがとうございます。学校における働き方改革に関する取り組みの徹底と標準授業時数オーバー並びに教師の時間外勤務の相関関係についてはどのように見られているのか伺います。
◆教育次長(石井宏之)
 時間外勤務との相関関係についての御質問でございますが、平成29年度に実施した本市教職員の勤務実態調査では、始業前及び終業後の業務内容は、小学校、中学校ともに授業準備や学年・学級経営の割合が高くなっておりますが、授業時数と勤務時間との相関関係につきましては、現時点では明確になっていないところでございます。本市におきましては、本年2月に教職員の働き方・仕事の進め方改革の方針を策定したところでございますので、方針に定める取り組みを推進しながら、長時間勤務の解消に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
◎松原成文
わかりました。最後に、意見要望とさせていただきますけれども、2019年度以降の年間授業計画をいま一度精査し、必要な場合は授業時間の見直しなどをできるだけ早い段階に講じることということも文部科学省の指導の中に入ってございますから、これも含めまして、新しい時間割り等々についてしっかりと御協議いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。