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■改めて川崎市戦没者追悼式典を問う
 川崎市と川崎市遺族会主催の「平成30年度川崎市戦没者追悼式典」が10月19日、川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)で執り行われました。川崎市では毎年10月に戦争によって犠牲となられた戦没者と戦災死者の御霊を慰め追悼する事を目的として挙行しております。戦後73年が経過し、我が国は国際社会と協調のうえ民主国家として歩みを進めると共に、国民の不断の努力によって経済発展を成し遂げ、平和で豊かな国へと発展してきました。ご遺族の皆様には最愛の肉身亡きあと、筆舌に尽くせぬ苦難に耐え、これまで険しい道のりを懸命に歩んでこられた事に、あらためて深い悲しみが込み上げてまいります。今日私たちの享受している繁栄は、戦争の犠牲となられた方々やご遺族の皆様のご苦労の上に築かれている事を決して忘れる事はできません。後世のためにも戦争の悲惨さを教訓として次の世代に継承する事は私たちの責務であり、平和のありがたさや尊さ、戦争の恐ろしさと愚かさを心に刻み、今後の恒久平和の実現に向け引き続き努力を続けていかなければなりません。

 しかし、戦没者、戦災死者の御霊を慰め、追悼し恒久平和の理念を次の世代に継承する事は決して容易な事ではありません。私は平成24年8月の本紙タウンニュースの寄稿文に於いて同様の指摘をいたしました。その内容を要約すると「追悼式典への参加者が年々減少するなか後世に引き継ぐという観点から、ご遺族に限らず児童生徒をはじめ広く市民の方々の参加を検討すべきではないか。広島市や長崎市では、市長・議長・遺族代表・子ども代表で献花し、平和への誓いは子ども代表2人で行う。小中学生の式典出席は、次代を担う世代として大切であると聞き及んでいる」と当時の教育委員会に対し質問を投げかけました。教育委員会の考えは「一年間を通じた教育課程で、国語の学習では戦争を題材とした物語の学習で平和を希求する心を育て、平和で差別や争いのない社会を創造することの大切さを指導している。社会科では小学6年や中学の歴史単元で第二次世界大戦から戦後復興の歴史的事実を学習し、国際協調と国際平和についての実現に努めることの大切さに気付くよう指導しているので、戦没者追悼式典への参加は考えていない」との事でありました。

 以上は6年前の事ではありますが、私が今年本市式典に参加させていただきその現状を鑑み、改めて現在の追悼式典の在り方を検討すべきであると実感いたしました。先人の方々が築かれた今日の川崎をより一層安心して心豊かに暮らせる魅力あるまちにするため、議員一人ひとりが十分に役割を果たして全力を注いでまいります。平和の礎となられた尊き御霊の安らかん事を祈り、あわせてご遺族の皆様の今後の御平安を祈念いたします。