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■今夏の酷暑による川崎市への影響について
 気象庁の発表によると、本年6月から8月の気温の状況について、東日本の平均気温は平年を1・7度上回り、昭和21年の統計開始以来最も高かったとの事です。記録的な暑い夏でした。本市での6月から8月の間での最高気温は、7月23日に宮前小学校に設置してある宮前一般環境大気測定局において記録した38・4度でした。真夏日は59日あり、この期間の平均気温は26・3度でした。

 また、この夏本市において熱中症で救急搬送された方々の内訳(5月1日?8月31日)は575人で、主な年齢区分は、65歳以上が255人で44・3%と最も多く、次いで40歳から64歳までが151人で26・3%、18歳から39歳までが107人で18・6%、18歳未満が62人で10・8%の順でありました。また初診時の等症別については重症が8人で1・4%、中等症は156人で27・1%、軽症は411人で71・5%となっています。7月21日には1日の救急件数が過去最高の310件を記録しましたが、事前に関係局や医療機関からの協力を得られた事などから、現場到着や病院到着に大きな遅れは生じる事はありませんでした。

 今夏の状況を受けて、文部科学省は来年度予算の概算要求に、公立学校の施設整備として当初予算の3・5倍にあたる約2400億円を盛り込む方針を固めたとの報道がありました。本市立学校では既に、全校の特別教室を除く普通教室に冷房設備は設置されていますが、理科室や音楽室等の特別教室については学校施設長期保全計画に基づく再生整備工事において設置が進められています。しかし、何よりも災害時の避難場所となる体育館については本市では3校に設置されているだけでありますので、早急な対策を求めてまいります。

 酷暑の影響を受けるのは人のみではありません。本市が誇る夢見ヶ崎動物公園の動物にも及びました。最も暑さに弱い「レッサーパンダ」は、エアコンによる温度管理を行いながら室内展示となりました。その他屋外で展示している動物は、樹木がつくる木陰と地形的な風通しの良さなどにより酷暑の影響等による健康被害はありませんでした。

 市内事業者に与えた影響については商店街関係者及び工業団体関係者からは特に大きな影響は生じていないとの事ですが、農業関係者からは気温が高いことから「種をまいても発芽しない。生育にばらつきが出る。収穫量の減少が危惧されるが大きな被害までには至っていない」等の声を聞きました。業種や業態によりその内容及び程度は様々ですが、市内事業者には一定の影響があったものと思われます。

 国においては防災、減災、国土強靭化に向け取組みが加速していますが、暑さ対策を含め、本市も市民が安心して暮らし続ける為の施策に取り組み未来へ夢の持てる川崎市を目指してまいります。