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■拉致問題解決阻む核・ミサイル交渉の糸を切ってはならない
 横田めぐみさん(当時13歳)が拉致されてから今年で40年、北朝鮮が拉致を認めてから15年が経過しました。北朝鮮は対南工作に利用するため、何の罪も落度もない日本人を拉致したとされています。たび重なる弾道ミサイル発射、6回目の核実験の強行で対話への道は遠くなり、拉致問題が進展しないまま拉致被害者の家族の中には既に亡くなった人もおり、高齢化ばかりが進んでいます。

 小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮を訪れ、金正日総書記(当時)と初の日朝首脳会談が行われた「日朝平壌宣言」から今月17日でまる15年が経過しました。当時拉致被害者の家族は問題解決に向け、期待がふくらみましたが実現したのは拉致被害者5人とその家族の帰国に留まり、横田めぐみさんをはじめ8人は既に死亡したと発表しましたが鑑定の結果別人の遺骨であることが判明し、拉致問題に対する北朝鮮の不誠実さが露呈しました。平成26年の「ストックホルム合意」で北朝鮮は拉致被害者の再調査を約束しましたが、調査結果の報告は先のばしのまま報告は行なうことなく、再調査の全面中止を伝えてきました。平成28年1月には4回目の核実験を強行し、我が国との合意を完全にホゴにしてしまいました。北朝鮮のこのような身勝手な行動で家族の切実な思いを踏みにじることに激しい憤りを覚えます。

 今回6回目の核実験や北海道上空を通過する弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会は、全ての加盟国に対し、安保理の北朝鮮制裁決議を実施するよう要請が行われましたが、安倍総理の「拉致問題は日本の最重要課題」と言い続けてきた事とは裏はらに、焦点が拉致問題から核やミサイル問題に移ってしまった感があり残念でなりません。たしかに北朝鮮による核・ミサイルには脅威はありますが、拉致問題をその中に埋没させることはできません。

 川崎市では拉致問題を風化させることなく一日も早い解決を願い、「拉致被害者家族を支援するかわさき市民のつどい」の開催や、写真展、講演会など、拉致被害者家族支援の啓発を行っております。