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■景観としての小杉地区開発 〜かわさき百年の風土づくり〜
 川崎市の良好な景観形成に関する基本理念は「かわさき百年の風土づくり」であり、魅力ある景観の広がりが風景を育て、時を重ねて風土を紡ぐとの方針を定めています。
 景観とは、個々の建物の外壁や屋根、植栽と道路。街路樹、街灯など様々な要素が調和して形成されたものであります。また、風景とは景観が時間の経過とともに連続して広がりを持ってつくられます。それが歴史を重ね、人々の生活や文化として定着し風土となります。
 都市拠点として小杉駅周転地区の整備は、大規模工場跡地などの民間の活力を活かし都市型居住機能の集積が進められています。すなわち、商業、業務、研究開発、文化交流、医療、文教であり、今後、まちづくりの推進にあわせ、新しい玄関口にふさわしい都市景観の形成が必要となってきます。

◆風土づくりの先導役としての”小杉”
 まちづくりの基本目標となるのは次の四項目となります。第一は、風格あるランドマークによる拠点景観づくりです。武蔵小杉駅を中心とし計画的に誘導された高層の建物群による群れとしての一体感、それぞれの建物の個性がバランスよく保たれた景観の形成です。
 第二は、駅を中心とした賑わいの景観づくりです。既存の商店街と新たな商業施設の調和した形成が求められます。親しみやすく秩序と賑わいのある商業景観を作りだし、小杉駅を中心に歩行者が回遊し活気ある景観形成で放置自転車等の対策も重要となります。
 第三は、快適で一体感のある公共空間としての「沿道景観」づくりです。特に、歩道部の歩道や街路樹、照明などについては駅前地区や居住地区、ハイテク産業地区それぞれのデザインコンセプトが求められます。
 第四は回遊性を高める「みどりと水の景観づくり」です。人々に安らぎを与える”みどりと水”を効果的に配置した、連続性のある潤いと彩りの景観です。そのためには多摩川や二ケ領用水、小河川などを視野に入れての景観形成も必要となります。
 社会状況がめまぐるしく変化するなか「かわさき百年の風土づくり」の先導役としてまさに、小杉地区がそれに値するのではないでしょうか。