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■意見書案第16号、同一労働同一賃金の実現等非正規労働者の待遇改善を求める意見書
◎松原成文
  私は、ただいま議題となりました意見書案第16号、同一労働同一賃金の実現等非正規労働者の待遇改善を求める意見書につきまして、提案者の方々を代表いたしまして提案説明をさせていただきます。

 女性や若者などの多様で柔軟な働き方を尊重しつつ、一人一人の活躍の可能性を大きく広げるためには、我が国の労働者の約4割を占めるパートタイムなどの非正規労働者の待遇改善は待ったなしの課題でありまして、時間当たりの賃金を見ましても正規労働者に比べて6割程度と大きな開きがあります。今後、急激に生産者年齢人口が減少する我が国におきまして、多様な労働力の確保とともに個々の労働生産性の向上は喫緊の課題であり、正規、非正規を問わず、キャリア形成に資する教育訓練プログラムの開発や実施など均等・均衡待遇の確保が一層重要となっております。非正規労働者の賃金の見直しやキャリアアップ、正規労働者への転換、ワーク・ライフ・バランスを実現するための多様な雇用形態など、同一労働同一賃金の考えに基づく非正規労働者の待遇改善のための総合的な施策を迅速に実施できるかどうかが我が国の将来を左右すると言っても過言ではありません。そこで、我が国の雇用制度における独自の雇用慣行や中小企業への適切な支援も十分に留意しつつ、非正規労働者に対する公正な待遇を確保し、その活躍の可能性を大きく広げる同一労働同一賃金の一日も早い実現を図るため、国に対しまして、まず、正規労働者と非正規労働者との間の不合理な待遇差を是正するためのガイドラインを早急に策定すること、次に、不合理な待遇差に関する司法判断の根拠規定を整備するとともに、不合理な待遇差の是正及び待遇差に関する事業者の関係する法律に基づく説明義務などについて関連法の整備を検討すること、さらに、厳しい経営環境にある中小企業に対して、非正規労働者の昇給制度の導入など待遇改善に取り組めるようさまざまな支援のあり方についても十分に検討すること、以上の事項につきまして特段の措置を講じられるよう強く要望いたしたく、意見書を提出するものであります。

 議員各位におかれましてはこの趣旨を十分に御理解いただき、本意見書案に御賛同賜りますようお願い申し上げまして、私の提案説明を終わります。(拍手)