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■教師の家庭訪問について
◆松原成文
 教師の家庭訪問についてお伺いをさせていただきます。学校教育におきましては、日ごろから学校の指導内容や指導方法について保護者に理解を求めるとともに、家庭からさまざまな情報を得たり、互いの信頼関係を深めるためにも家庭訪問というのは非常に有意義であると私は考えております。この家庭訪問について、例えば文部科学省では指導をどのように示されているのか、お伺いいたします。また、それに対する本市の考えについてもお伺いをさせていただきます。本市においては家庭訪問を実施するとか実施しないという基準があるのかどうかということについてもお伺いいたします。
◎教育長(渡邊直美)
  家庭訪問の基準についての御質問でございますが、家庭訪問につきましては、文部科学省は特に基準を定めておらず、指導等を行っていないところでございます。また、本市におきましても基準等は特に定めておりませんが、各学校におきましては家庭訪問や学校での面談等を学校運営計画に設定しており、学校と家庭との情報交換の場として児童生徒理解を図っているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 先生と保護者の信頼関係を深めるということについて、家庭訪問というのは非常に重要であるのかなと私は認識しておりますけれども、市内には小学校113校、中学校52校がありますけれども、平成26年度、平成27年度の家庭訪問の実施状況はどのようなものであったのか、お伺いをいたします。
◎教育長(渡邊直美)
   家庭訪問の実施状況についての御質問でございますが、平成26年度、平成27年度ともに市内小中学校におきまして、家庭訪問を学校運営計画に位置づけて実施している学校は、小学校113校のうち45校、約40%、中学校52校のうち44校、約85%でございます。また、個別の事情や課題への対応におきまして、学校と家庭とが緊密に連携する必要がある場合は、いずれの学校においても適宜家庭訪問を行っているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 今、御答弁いただきましたけれども、小学校が半分以上やっていないということです。45校で40%、中学校は85%ということで非常に高いのでありますけれども、小学校が低いということについては余り理解できないのでありますが、小学校の実施が少ないということでありますけれども、その理由についてお伺いをいたします。また、中学校では、44校ですから、8校が実施をしていないということでありますけれども、小学校、中学校、それぞれ実施をしていないという学校について、どういう理由で実施をしていないのか、お伺いいたします。
◎教育長(渡邊直美)
  家庭訪問を実施していない理由についての御質問でございますが、各学校におきましては校長の権限において教育課程の編成に取り組み、授業時数の確保を第一に、行事や授業参観、保護者面談、家庭訪問等の実施について総合的に調整し、計画を立てているところでございます。その中で、家庭訪問よりも学校での面談のほうが十分な時間を確保して情報共有することができるとの考えや、また、保護者の意向が家庭訪問よりも面談を望む声が多いことから、実施していない学校がございます。そのようなことから、実施していない学校におきましては年度初めに面談を実施するなど、家庭訪問にかわる面談等の機会をふやし、児童生徒理解を進めているところでございます。また、担任が地域めぐりを行い、通学路と御自宅の所在場所を把握する取り組みなども行われております。以上でございます。
◆松原成文
 今の答弁では、地域めぐりというのがどういうことかわかりませんけれども、通学路と自宅の所在地を把握するということでありますけれども、そこまで所在地を確認するならば、もう家の前まで行っていると思いますので、1分でも2分でもそういった機会をつくっていくということも必要であるのかなと。そんな思いもしております。  次に、過去の家庭訪問の実施状況についてお伺いしたいと思います。例えば大変――40年、50年昔のことはわからないと思いますけれども、10年、20年前、本市において家庭訪問はどのような状況であったのか、お伺いをいたします。また、途中何かそういうきっかけがあって、家庭訪問について、やるやらないということについて大きな変化があったのかどうかについてもお伺いいたします。
◎教育長(渡邊直美)
  過去の家庭訪問の実施状況についての御質問でございますが、40年前、20年前の実施状況についての記録はございませんが、10年ほど前より教科の標準授業時数が増加し、授業時間数の確保が課題となったことにより、学校行事の精選、教育課程の見直しが図られ、学校運営計画に位置づけた家庭訪問の実施の見直しも行われたところもございます。以上でございます。
◆松原成文
 10年ほど前に授業時間が増加をして、今までやっていたけれども、ちょっと実施については困難なのかなということで中止になってしまったというふうな話でありますけれども、その中でも、そういった時間を調整しながら実施している小学校、中学校があるわけでありますから、何とか努力をすればできるような方向も考えられるのではないのかなと私は思いますけれども、やっているところとやっていないところがあるわけでありますので、その辺についてもまたいろいろ御協議を賜ればと思います。  家庭訪問というのは、私はやったほうがいいなと思います。そういう面から、家庭訪問を全校実施すべきであるという考えについてお伺いをいたします。
◎教育長(渡邊直美)
  家庭訪問全校実施についての御質問でございますが、家庭訪問の意義につきましては各学校においても認識されているところでございますが、短時間の家庭訪問よりも時間を確保した個人面談等を重視した学校の考えや、一方、プライバシーに配慮してほしいなどの理由により、学校を面談会場とした個人面談や三者面談を希望する保護者が見られる状況がございます。しかしながら、学校が家庭とより一層緊密な連携を図り、児童生徒の理解を深めることは重要でございますので、学校の実情にも配慮しながら、可能な限り家庭訪問の実施を検討するよう小中学校と協議してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆松原成文
 可能な限り家庭訪問を実施するように検討するというか、各学校にこれは要望しなければいけないと私は思うのでありますけれども、各小中学校と協議をしていくということでありますけれども、ぜひとも各学校にできる限り家庭訪問を時間調整しながら実施してほしいということを、教育長が出すのか、どこから出すかわかりませんけれども、その辺はしっかりとお願いをしたいなと思います。  それと、教育長は小学校の先生の経験もあるということでありまして、多分家庭訪問を実施されたこともあろうかと思いますけれども、現場におられたときの家庭訪問の状況ですとか、教育長の率直なそのときの感想をお聞かせいただきたいと思います。
◎教育長(渡邊直美)
  家庭訪問についての御質問でございますが、家庭訪問した際に、御家族がかわいがっていらっしゃいます犬などを見せていただいたり、また、部屋に飾られております御家族の写真などを拝見するような機会もございました。こうしたことから話題なども広がりまして、日ごろ学校生活では見られないお子さんの一面が大変見られたこともございまして、うれしく感じたことなどもございました。また、児童が同席した場合には、児童と保護者とのふだんのかかわりの様子などを拝見することもできまして、また、御家庭の雰囲気などをうかがい知ることができまして、児童や保護者とのかかわりが深まるきっかけとなったところもございました。また、一方で、家庭訪問のために保護者の方に大変お忙しい中、時間をつくっていただいたところもございまして、大変心苦しい思いをしたことなども記憶に残っているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
  今、教育長がお話ししましたけれども、これは大変重要なことで、どかどか行けばいいというものではなくて、やはり信頼関係の中で、いろいろな話の中で守らなければいけないこと等々もあろうかと思いますので、その辺もマニュアル等々をつくっていただいて、これから家庭訪問を初めてやる先生も出てくるのであろうと思いますけれども、その辺も先輩の教員の方たちが御指導いただきながら、家庭との信頼関係をさらに構築していただけるように、ぜひとも全校が家庭訪問を実施できるように取り計らいをお願いしたいと思います。ありがとうございました。