議会リポートに戻る
■13款教育費1項教育総務費5目教育指導費の教科書採択事務経費について
◆松原成文
 4月から使用する川崎市立高校の日本史の教科書の選定をめぐって、教育委員会に再考を求める請願が4カ月間にわたり審議されていなかったということが1月28日付の新聞に掲載されたわけでありますけれども、教科書に関するこういった問題は市民の大きな関心事になっていると思われるところでありますけれども、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  教科書採択についての御質問でございますが、教科書につきましては、児童生徒が共通して使用する主たる教材であり、学校はもとより、家庭での学習においても重要な役割を果たしているものと考えております。また、教科書の展示を行う教科用図書展示会におけるアンケートでは、約470件の御意見が寄せられて、市民の皆様の大きな関心になっていると認識しておりますので、教育委員会の責任と権限において、公正かつ適正に教科書採択を実施することが重要であると考えております。以上でございます。
◆松原成文
市民の大きな関心事になっているということについては、私も教育長も同じ方向を向いているなと思うところであります。教科書の採択地区に関して全国の状況を見ますと、政令指定都市20市のうち、本市を除く19市は1採択地区となっておりますけれども、本市が4採択地区で1採択地区としない理由は何なのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  採択地区についての御質問でございますが、本年度に実施いたしました平成27年度から使用する小学校教科書採択におきましては、4地区全てで同一の教科書会社の教科書が採択されたところでございます。来年度は、平成28年度から使用する中学校教科書採択を実施いたしますので、小学校教科書採択の結果とあわせて中学校教科書採択の状況を確認しながら、採択地区について慎重に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 採択地区については慎重に検討するのは当たり前でありますけれども、私が今お聞きしたのは、なぜ1採択地区にしないのかという理由でございます。  続きまして、小学校の国語、算数、理科、社会の科目について、平成26年度まで連続何年間同一の教科書会社の教科書が採択されたのか伺います。
◎渡邊直美 教育長
  教科書採択についての御質問でございますが、同一の教科書会社の教科書を採択している期間につきましては、国語が44年間、算数が50年間、理科が41年間、社会が47年間、採択したことを確認できるところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 確認されるところでこの年代でありますから、確認されない部分を入れるともう少し多いのかもわからないということでございます。平成27年度以降については、これまでと同一の教科書会社の教科書が採択されたのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  教科書採択についての御質問でございますが、本年度に実施いたしました小学校教科書採択において、図画工作の第3地区で変更がございましたが、そのほかの種目及び地区につきましては、同一の教科書会社の教科書が採択されたところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 そうすると、来年、平成27年度からまた4年間、今度国語が44年から48年、算数が50年から54年、理科が41年から45年、社会が47年から51年、同一会社の教科書が使われるということになった結果でございます。6月議会で教科書採択に関する質問をした後、平成27年度に使用開始となる小学校採択が行われ、現在4地区統一でない唯一の種目である図画工作も含めて、全ての種目で4地区同じ発行者が採択され、より4地区で統一の流れが強く見られるわけでありますけれども、実態として地区の特色は本当に考慮されているのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  地区の特性についての御質問でございますが、現在の4採択地区につきましては、都市化の進展による人口の増減や産業構造の変化等により、採択地区における人口、学校数の不均衡が生じていることなどにより、平成13年に川崎区を第1地区、幸区、中原区を第2地区、高津区、宮前区を第3地区、多摩区、麻生区を第4地区と定めております。教育委員会の審議に際しましては、採択地区ごとの児童生徒の実態や地域の特色等も考慮し、総合的に勘案した上で採択地区ごとに教科書採択を実施しているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 今、御答弁によると採択地区ごとの児童生徒の実態や地域の特色を考慮して総合的に勘案して教科書採択しているということでありますけれども、現行の採択方法では、地区の特色についての説明が各教科採択の冒頭にありますが、採択に関して実際に討議する際、ほとんど触れられておりません。各地区の特色に合わせた採択が形骸化されているようにも見えるわけでありますけれども、現在の採択方法の中の特にこの点についてはどのようにお考えなのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  地区の特性についての御質問でございますが、小中学校における採択の流れにつきましては、教育委員会が教科用図書選定審議会に教科書の調査審議を諮問するとともに、各学校や各教科の調査研究会に対して、教科書の調査研究を依頼いたします。教科用図書選定審議会では、調査研究会からの採択地区ごとの報告を参考にするとともに、教科用図書選定審議会の立場で調査審議し、教育委員会へ答申いたします。教育委員会においては、この答申を参考にする一方、教育委員の独自の視点で教科書を調査し、教育委員会の責任と権限において教科書採択を実施しております。教科書採択につきましては、地区の特色を把握した上で、さまざまな観点から総合的に検討して採択を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。平成23年度図画工作の教科書採択に関して、第3地区は、色や素材など材料の特色を生かして自分なりの発想で活動できる児童が多いという特色から開隆堂の教科書が選ばれましたが、今回の採択では、第3地区の特色は変わっていないにもかかわらず、その点については何も触れられておりません。また教育長は、8月30日教育委員会臨時会の中で、実態の中でも、特に区によって教科書を変える必要はないと感じているというような発言があったようでございますけれども、前回の採択から第3地区の何が変わったのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  図画工作の教科書採択についての御質問でございますが、本市の子どもが学習を進めていく上での視点として、今回の採択に当たり、つくり出す喜びを味わい、造形的な創造活動の基礎的な能力を育成する内容、構成であることを新たに加え、審議いたしました。これは、学習指導要領の全面実施から4年が経過し、本市の図画工作学習の実態と状況から、技能を高める指導とともに、子どもたちが主体的に学習に取り組み、つくり出す喜びを味わうような学習活動がこれまで以上に図画工作の授業に求められていると考えたからでございます。地区ごとの子どもの実態や地域の特色と本市の子どもが学習を進めていく視点とを踏まえ、本市の子どもに最もふさわしい教科書について審議し、採択したところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。現在、中学校教科書では保健体育だけが4地区同じでないわけでありますけれども、次の平成28年度中学校採択では全ての種目で4地区同じ教科書を採択していく方針なのか伺います。
◎渡邊直美 教育長
  中学校教科書採択についての御質問でございますが、来年度に実施する中学校教科書採択におきましても、教科書目録に登載された全ての種目について調査審議し、公正かつ適正に教科書採択を実施してまいります。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。6月議会でありましたけれども、私たち自民党の平成25年6月25日の教育再生実行本部中間まとめにおいて、教科書採択については、特定の教科書を長期にわたって使い続ける地域が見られる――これは川崎市がまともに当てはまっているんですけれども、教育委員会が入念な調査研究に基づいてその権限と責任を十分に果たしていないのではないかとの批判がある件に対して、どうお考えですかという質問をいたしました。教育長からは、長期間にわたって各教科書の内容を確認、研究するとともに、採択の審議においては長時間における慎重な協議を経るなどして、教育委員会としてその責任と権限のもと、公正かつ適正に取り組み、児童生徒にとって最も適した教科書を採択しており、その結果として同一の教科書を採択しているというような発言があったわけでありますけれども、時代が変わっていく中で、川崎市の実態も変わっているのにもかかわらず、教科書をある1社のみが常に川崎市の全ての地区の実態に沿った最も適した教科書であるとの解釈でよろしいのでありましょうか。
◎渡邊直美 教育長
  教科書採択についての御質問でございますが、教科書は学習指導要領に基づき編集されており、各教科書発行者は、時代や社会状況等に合わせ、内容や構成、分量、表記等の工夫改善に努めておりますので、同じ教科書発行者であっても、改訂ごとに児童生徒が学習しやすいように内容等の改善がなされているところでございます。教科書採択につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、教育委員会の職務権限でございますので、教育委員会がその責任と権限において、公正かつ適正に児童生徒に最も適した教科書を採択してまいります。以上でございます。
◆松原成文
 今の答弁ですと、改訂ごとに児童生徒が学習しやすいように内容は変えて改善されているからいいのだという考えでいると、教科書が変わるごとに内容が変わるのだから、同じ会社の教科書を使って何の問題もないでしょうというようにも聞こえるわけでございます。ここに昨年8月30日の教育委員会の臨時会の会議録があります。その抜粋でありますが、このとき教育長は、今の4採択地区を1つの地区に統合したらどうか、あるいは現状のまま4採択地区を維持するという双方の請願があるんだけれども、今回小学校の教科書を見てきたわけでありますが、意見をいただきたいということを各教育委員にお聞きしたということを発言されているわけでありますけれども、意見を求めた教育長の意図は何であったのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  教育委員会での発言についての御質問でございますが、来年度から使用する小学校教科書におきましては、4地区全てで同一の教科書会社の教科書が採択されたところでございます。このたびの教科書採択の以前に、採択地区について現状の維持と見直しを求める異なる立場の請願がございましたが、教科書採択の審議に影響を及ぼすため、請願については採択も不採択もしないという判断がなされておりましたので、教科書採択が終了したこの時点において委員の感想等があれば伺いたいと思い、発言したものでございます。以上でございます。
◆松原成文
 そういう考えですと、採択するたびに陳情、請願が出てくると、双方の意見をどうのこうので審議しないということが続くのではないかという心配もありますので、陳情・請願が出ているから審議しないんだということについては、教育委員会としてもっとしっかりやってもらいたいなとは思うのでありますが、平成12年12月14日、教育委員会臨時会において、採択地区に関する議案が可決され、3採択地区から4採択地区に変更されたのでありますけれども、3から4に変更した要因は何だったのかお伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  採択地区についての御質問でございますが、都市化の進展による人口の増減や産業構造の変化等により、採択地区における人口、学校数の不均衡が生じていること、並びに昭和57年の分区による不均衡が生じていることにより、採択地区を4採択地区と定めたところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 人口の増加だとか産業構造で分けたということでありますけれども、これは平成12年度ですよ。平成12年度から今日まで約14年間経過したわけでありますけれども、この間人口もふえていますし、そういった産業構造等々も各地区違っているわけでありますけれども、この間に採択地区について何か検討が行われたというようなことがあるんでしょうか。
◎渡邊直美 教育長
  採択地区についての御質問でございますが、平成13年度以降の小中学校の教科書につきましては、地区で異なる教科書を採択しているため、採択地区についての検討を実施しておりません。平成27年度から使用する小学校の教科書は、4地区全てで同一の教科書が採択されたところでございます。今年度の小学校教科書採択の結果とあわせて、来年度の中学校教科書採択の結果を確認しながら、採択地区のあり方について慎重に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 先ほども質問しましたけれども、小学校の国語、算数、理科、社会については40年、50年ということで、これはずっと続いているんですよ。教育長が今言ったのは、そのほかの図画工作ですとかそういうのは一部変わっておりますけれども、ほんの一部ですよ。国語、算数、理科、社会については変わっていないんですよね。神奈川県から公立小中学校で使用する教科書の採択に向けて、毎年問い合わせというのはあるんでしょうか。
◎渡邊直美 教育長
  神奈川県からの照会についての御質問でございますが、採択地区の設定または変更につきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律に基づき、都道府県の権限でございます。都道府県の教育委員会は、採択地区を設定し、または変更しようとするときは、あらかじめ市町村の教育委員会の意見を聞かなければならないと規定されておりますので、毎年神奈川県からの照会を受けているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ここで大事なのは、神奈川県のほうから、川崎市は教科書採択地区をどうするのですかという問い合わせが毎年来ているということが確認されたわけでありますけれども、県からのこの問い合わせについて、これまで教育委員会では毎年どのような方法で結論を出されていたのですか、お伺いいたします。
◎渡邊直美 教育長
  神奈川県からの問い合わせについての御質問でございますが、これまでは地区により異なる教科書を採択している状況があったこと、また、教育委員からの採択地区に対しての特段の意見がなかったことなどによりまして、変更する必要がないものと判断していたところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 わかりました。変更する必要はないと判断したということでありますけれども、3地区から4地区に分けたときは、議案として教育委員会臨時会で審議したわけですよ。県のほうからは、毎年おたく――川崎市は採択地区をどうするんですかと問い合わせをしたときに、誰が、どこで、どういうふうに判断するのですか。
◎渡邊直美 教育長
  採択地区についての御質問でございますが、ただいま御答弁申し上げましたように、これまでは地区ごとに異なる教科書を採択している状況がございましたし、また、教育委員からの特段の御意見がございませんでしたので、教育委員会事務局におきまして県に対する回答を行っていたところでございます。以上でございます。。
◆松原成文
 何のために教育委員の人がいるのかということもありますけれども、どのような方法でというと、教育委員会の事務局の中で結論を出して、川崎市は採択地区は変更しませんと、現状のままで来年もいきますということだとあるんですけれども、以前は、議案として全員で協議したという経過があるんですよ。ですから、神奈川県から問い合わせが来た場合は、やはりこれは議案なりもっと慎重に、教育委員の皆さんが全員で、川崎市の採択地区は来年度は4採択地区でいいのか、あるいはもっとふやさなければいけないのか、いや、もっと1つにまとめてしまったほうがいいかというのは全員が意見を出し合って決めていかなければいけないと思うんでありますけれども、まさにこれは教科書採択について形骸化されていると言われても仕方がないのかなと。その一つのあらわれではないかと思います。県からの問い合わせについて事務局だけで、来年はことしと同じですよということを決めることについて、私はちょっとおかしいと思うんですが、どうでしょう。
◎渡邊直美 教育長
  教科書採択地区についての御質問でございますが、この都道府県からの回答につきましては、政令指定都市の中でも本市と同じように事務局の判断によって回答している自治体もございますし、また、委員のおっしゃるように教育委員会会議に諮りまして議案として決定しているところもございます。教科書の採択地区につきましては大変重要な内容だと思っておりますので、今後教育委員会の中で慎重に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 教科書採択について市民の皆様の関心はということで、非常に関心が高いということで意見が一致したわけであります。どういうような教科書が採択されるのか、採択地区はどうなるのかということについては、市民の皆様は非常に関心が高いと。にもかかわらず、教育委員会の臨時会も開かないで、事務局だけで決めてしまうということについては、他都市もやっているからということは、他都市のことはいいんですよ。川崎市は川崎市でどういう方向でいくのかということを今後明確にしていかなければいけないのかなと思います。  それと、20政令指定都市がある中で、川崎市だけがなぜいまだに4つなのかということについての明確な答弁を先ほどもいただいておりませんので、この辺も、本当に1採択地区にするということに何か支障があるのか、そういうことも明確にやっぱり答弁はいただきたかったということであります。  それと、採択地区についてでありますけれども、大分長きにわたって変わっていないということでありますので、これまでの検証ですとかメリット、デメリット等々について慎重に協議、審議するような委員会なりプロジェクトチームを立ち上げて、今の採択地区は本当に川崎市に適しているのか、変更していかなければいけないのか、現状のままでいいのかということについて、教育委員会でそういった専門的なチームをつくって慎重に検討していただいて、今後の川崎市の採択地区はどうあるべきかということについて明確な方向性を示していただきたい。そういうような委員会、プロジェクトチーム、ワーキングチーム等々をつくっていただきたいということを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。