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■空き缶の持ち出しについて
◆松原成文
 6款3項1目ごみ処理総務費についてお伺いいたします。まず、空き缶の持ち出しということでございますけれども、平成19年度から平成23年度の空き缶の持ち出し量の推計は総トンで約1,544トン、金額にすると約2億1,500万円、これを平均いたしますと、1年間で約308トン、金額にしますと約4,300万円が抜き取られていたということを昨年の決算特別委員会で答弁いただいたところでありますけれども、平成24年度における無断持ち出しの量と金額について、それぞれ環境局長にお伺いいたします。
◎稲垣正 環境局長
  空き缶の持ち出し量などについての御質問でございますが、ペットボトルの普及を初め、缶自体の軽量化、また、コンビニエンスストア等の小売店による店頭回収や自動販売機のベンダー等による回収、さらには大規模集合住宅による空き缶の自主的なリサイクルの実施など、さまざまな要因がありますことから、空き缶の持ち出し量を正確に算定することは難しいものと考えております。こうした中で、仮に空き缶の持ち出し防止を条例化いたしました横浜市の条例制定前と制定後の空き缶収集状況を比較し、市収集量の増加分を全て持ち出しによるものと仮定し、その比率から本市の平成24年度の持ち出し量を推計いたしますと約270トンとなるものでございます。また、この数値にアルミ缶の売り払い単価を乗じ試算いたしますと、概算でございますが、その金額は年間約2,900万円となるものでございます。以上でございます。
◆松原成文
 今、環境局長から、平成24年度は約270トン、金額で約2,900万円というような御答弁をいただきました。昨年度、無断で持ち出された行為に対する見解を環境局長にお伺いいたします。
◎稲垣正 環境局長
  持ち出し行為に対する見解についての御質問でございますが、空き缶を無断で持ち出す行為につきましては、収集現場ではその実態が十分に把握できない面がございますので、今後は、資源化処理事業者へのヒアリングなども含め、実態把握に取り組む必要があると考えております。また、近隣自治体におきましては、空き缶だけでなく古紙の無断持ち出し対策など新たな取り組み事例もございますので、こうした事例などを参考に研究しながら、関係局と連携を図り、防止対策の検討を深めていく必要があると考えております。以上でございます。
◆松原成文
 空き缶の持ち出しに関する各政令市及び県内の他の自治体の状況と、その効果の検証についてお伺いいたします。
◎稲垣正 環境局長
  他の自治体の状況と効果検証などについての御質問でございますが、初めに、他の自治体の状況についてでございますが、空き缶の持ち出し防止を条例化しておりますのは、政令市19市の中では9市、県内16市の中では10市となっております。また、条例制定後の効果などにつきましては、政令市9市のうち6市で条例制定前に比べ空き缶の収集量が増加しており、収集量に大きな変化がない自治体においても無断持ち出しの抑止力が働いたと認識していると伺っております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。  続いて、健康福祉局長にお伺いいたしますけれども、本市における社会的弱者の空き缶等の持ち出しに対する実態と取り組みについてお伺いいたします。
◎伊藤弘 健康福祉局長
  社会的弱者による空き缶等の持ち出しなどについての御質問でございますが、データとして把握しておりますものといたしまして、平成24年1月に国によるホームレスの実態に関する全国調査が実施され、本市では122人を対象にサンプル調査が行われたところでございます。この調査の中で、現在収入のある仕事をしているかという質問に対し、70人が仕事を「している」と回答し、次に、具体的にはどのような仕事をしているかとの質問には、空き缶等の回収を含む「廃品回収」と回答した者が64人ございました。また、仕事による収入額は月当たり幾らかとの質問に対しましては、1,000円以上5,000円未満6人、5,000円以上1万円未満3人、1万円以上3万円未満18人、3万円以上5万円未満26人、5万円以上10万円未満14人、10万円以上15万円未満3人との回答でございました。本市といたしましては、こうした収入がある者も含め、市内のホームレスに対して巡回相談員がそれぞれの居場所を訪問し、生活実態の把握を初め、就労や健康など自立に向けた相談活動を行っており、それぞれのニーズに合わせ、生活保護制度やホームレス自立支援センターの案内を行い、安定した生活の確保など、ホームレスの自立支援に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございました。  引き続きまして、環境局長にお伺いいたします。空き缶の持ち出しについてでありますけれども、これはもう随分長くいろいろ質問させていただきましたが、今後の対応についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。また、結論についてはいつごろまでに出す予定でおいでになるのか、それぞれお伺いいたします。
◎稲垣正 環境局長
  今後の対応についての御質問でございますが、本市におきましては、3Rを基調とした資源循環型の廃棄物処理体制の構築を最優先課題として取り組んできたところでございまして、市民の方々の御理解と御協力により、この9月からプラスチック製容器包装の分別収集の全市拡大とあわせて普通ごみの収集回数の変更を行ったところでございます。今後は、ごみ焼却処理施設の3処理センター化の実現に向けて、さらなるごみの減量化、資源化施策の推進を図ってまいりますが、こうした中で、ごみ集積所からの資源物の持ち出し行為の防止対策などにつきましても検討をさらに深めていく必要があると考えております。具体的には、検討に着手いたしました次期一般廃棄物処理基本計画の策定作業の中で、有識者の方々の御意見等も伺いながら、できるだけ早期に方針を定めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 できるだけ早くというお言葉をいただきましたけれども、意見要望を述べさせていただきます。苦情が寄せられている地区では、巡回パトロールを強化するなどの対応を図っているということもお聞きしております。持ち出し行為に対する本市の立場を明確に位置づけることが必要であります。早急に行政としての方針を定めるためにも、この際、大学教授ですとか弁護士、宅建業者の方々、警察、資源回収業者、ホームレスの支援団体、あるいはまた町内会の会長さん、自治会の会長さん、一般市民の方、行政等で構成する検討委員会を立ち上げて早急に結論を出す方向を持っていただきたいということを要望させていただきます。よろしくお願いいたします。