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■子宮頸がんワクチンについて
◆松原成文
 定期接種になりました子宮頸がんワクチンについてお伺いをいたします。がんを予防できる唯一のワクチンとして注目され、3年前に始まったキャンペーンを受け、政治決断で、異例とも言うべき速さで公費助成ができました。小学校6年生相当から高校1年生相当の児童生徒の接種が勧められていたワクチンですが、発売から3年間で約328万人が接種、本年4月からは定期接種となったわけでございます。しかし、接種直後にけいれん、関節痛などの副反応に襲われ、治療方法がわからずに苦しむ被害者が出ているというのも現状でございます。副反応について、全国の状況についてお伺いいたします。また、本市のワクチン接種実績及び副反応の状況についてお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  子宮頸がんワクチンについての御質問でございますが、初めに、本市の接種実績についてでございますが、平成23年4月から子宮頸がん等ワクチン接種事業として、子宮頸がん予防ワクチンの公費負担による接種を開始し、延べ5万回を超える接種がございました。次に、副反応の状況についてでございますが、接種後、定められた基準に該当する副反応が認められた場合、報告書により報告することとなっており、全国ではワクチン販売開始から本年3月末までで1,968件、そのうち重篤が878件でございますが、本市におきましては、5月末の時点では報告はございません。以上でございます。
◆松原成文
 本市ではないということでございました。子宮頸がん年齢別の死亡数について、全国と本市の状況をあわせてお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  子宮頸がんによる死亡数についての御質問でございますが、平成23年における子宮頸がんを原因とした全国の死亡数につきましては、国が統計法に基づき実施しております人口動態調査によりますと、25歳未満は該当がなく、25歳以上30歳未満19人、30歳代186人、40歳代421人、50歳代449人、60歳代535人、70歳以上1,127人、合計で2,737人でございます。また、同調査に基づき国から公表されております本市の子宮頸がんを含む子宮がんによる死亡数につきましては、35歳未満は該当がなく、35歳以上40歳未満1人、40歳代7人、50歳代6人、60歳代13人、70歳以上32人、合計で59人でございます。以上でございます。
◆松原成文
 わかりました。本市においては、35歳未満ではそういった例がないというようなお話でございました。ワクチンにはサーバリックスとガーダシルの2種類のワクチンがあるわけですけれども、このワクチンは子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を防ぎますが、子宮頸がん全てを予防できるわけではありません。効能、効果について伺います。また、注意書きにはどのような内容が書いてあるのかお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  サーバリックスとガーダシルの2種類のワクチンについての御質問でございますが、初めに、効能、効果についてでございますが、2種類のワクチンのいずれにつきましても、発がん性の高いヒトパピローマウイルス16型・18型の感染を防ぐことで子宮頸がんを予防できるものでございまして、ガーダシルにつきましては、これに加えて、6型・11型ウイルスの感染を防ぐことで尖圭コンジローマを予防できるものでございます。次に、注意書きの内容でございますが、主な副反応として、注射部位の疼痛や発熱等の症状のほか、重篤なケースとして、まれにアナフィラキシーやギラン・バレー症候群等があらわれることが記載されております。また、注射部位に限らない激しい疼痛等の症状が長期間持続するケースが報告されるようになったため、こうした異常が認められた場合には適切な診療が可能な医療機関を早期に受診させるよう、この6月に追記されたところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。  質問を1つ飛ばさせていただきますけれども、4月から定期接種ということで、国のほうでは勧奨するということでありましたが、勧奨とはそのことを勧めることでありますけれども、ワクチン接種の勧奨を一時控えるということで今あるわけです。一時控えるということはどういうことなのでありましょうか、ワクチン接種はやめなさいということなのでありましょうか、お伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  ワクチン接種についての御質問でございますが、このたびの子宮頸がん予防ワクチンの積極的接種勧奨の差し控えという措置により、本市といたしましては発送を予定しておりました接種の勧奨を促す個別通知を延期するものでございまして、接種を中止したものではございません。以上でございます。
◆松原成文
 もう一度改めてお伺いいたしますけれども、ワクチンを接種することによる子宮頸がんの発症予防は確認をされているのでしょうかお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  ワクチン接種による発症予防についての御質問でございますが、国において子宮頸がんに対するワクチンの直接的な予防効果は確認されておりませんが、子宮頸がんは前がん病変が見られた後に発症すると考えられ、15種類ある発がん性ウイルスのうち、16型及び18型の持続的感染及び前がん病変等を予防できることは確認されておりますので、これらを予防することにより子宮頸がんを予防することができると考えられているものでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。それでは、既に子宮頸がんワクチンを接種した対象者に対する健康被害の追跡調査を速やかに実施し、健康被害の早期発見の体制を整えるべきと思いますけれども、健康福祉局長、そしてまた、教育長の御意見をお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  健康被害の発見体制についての御質問でございますが、予防接種による副反応につきましては、報告基準に該当する症状を診断した医師は、速やかに厚生労働省へ報告しなければならないと予防接種法に定められているところでございます。また、接種を受けた方やその保護者が副反応による健康被害と思われた場合につきましては、保健福祉センターへ御相談いただき、都道府県を通じて厚生労働省へ報告することが可能となっております。このことにつきましては本年3月に厚生労働省から周知を図るよう通知が出されたことから、本市ホームページやチラシ等で周知に努めているところでございます。以上でございます。
◎教育長(渡邊直美)
 健康被害にかかわる追跡調査についての御質問でございますが、平成25年6月7日の事務連絡において、文部科学省から子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した欠席等の状況調査についての依頼が来ております。この調査では、子宮頸がん予防ワクチンの接種が原因と思われるさまざまな健康被害が報告されており、中には学校を長期休業せざるを得ない事例もあるとの指摘もあることから、文部科学省において、生徒に対する個別指導等に適切に対応するために、子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した欠席等の状況について把握するものとなっております。教育委員会といたしましても、今後、文部科学省の調査要領に基づき、市立学校に在籍する生徒について、平成24年度の1年間において子宮頸がん予防ワクチンの接種後に一定期間の欠席が認められる生徒、体育及び部活動を休んでいる生徒、教育活動の制限が生じた生徒のいずれかに該当する者についての調査を行い、実態の把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。  最後に、阿部市長にお伺いいたしますけれども、子宮頸がんワクチンであるサーバリックスが引き起こす副反応として、筋力の低下を引き起こす難病のギラン・バレー症候群と免疫体系が異常を起こす急性散在性脳脊髄炎も新たに加わりました。予防接種はリスクよりも予防効果が大きいので行うものと考えますけれども、被害者が救済されない中、予防接種制度を信頼するのは非常に難しいと考えますけれども、市長の御見解をお伺いいたします。
◎市長(阿部孝夫)
  予防接種についてのお尋ねでございますが、本市におきましては、公衆衛生の向上及び増進に寄与するため、伝染のおそれのある疾病の発生、蔓延を防止することを目的として予防接種事業を実施しているところでございます。こうした中、厚生労働省の通知を踏まえ、子宮頸がんワクチンの接種につきましては、現在積極的な勧奨はしておりませんが、公費での接種が可能であることや予防接種の有効性とリスク、副反応による健康被害が生じた場合の法律に基づく救済制度などについて、十分に理解していただくよう説明に努めてまいります。あわせて、子宮頸がん早期発見のためには、定期的な検診が大切であることを周知してまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、子宮頸がんワクチンの定期予防接種につきましては、速やかに専門家の再評価による結論が出され、市民の方々が接種に関して正しく理解するための情報が適切に提供されることを期待しているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございました。地方議会では、重篤な副反応の症例を懸念し、接種の一時停止を求める意見書が出されております。本県では、座間市、海老名市、綾瀬市、大和市が意見書を提出しております。日本の未来を支えていく子どもを大切にしてください。接種に当たっては有効性とリスクを明確にした広報を要望させていただきます。以上です。