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■生活保護費の不正受給について
◆松原成文
 生活保護費の不正受給についてお伺いをいたします。生活保護法における不正受給についてでありますけれども、平成22年度の法第78条適用件数は372件、不正受給の金額は約2億3,489万円、平成23年度におきましては576件で、約3億9,943万円になっております。件数においては約1.5倍、不正受給の額については約1.7倍となっておりますけれども、このような状況についての考えを健康福祉局長にお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  生活保護における不正受給についての御質問でございますが、生活保護法第78条では、申告を正しく行わないなど不正な手段により保護を受けた場合に、既に受領している保護費の返還を規定しておりますが、平成23年度において、同条を適用した件数及び金額が前年度と比較して増加している理由といたしましては、生活保護受給者数の急増による稼働収入等の申告漏れや年金の遡及受給者の未申告が増加したことなどによるものでございます。こうした状況は生活保護受給者の収入申告の義務等、制度の理解が十分でなかったことが主な要因であると考えておりますので、制度のさらなる周知徹底が重要であると認識しているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。不正受給が発覚した経緯についてお伺いいたします。特に特異なものがあれば、あわせてお伺いをいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  生活保護における不正受給についての御質問でございますが、不正受給発見の契機につきましては、平成23年度の法第78条適用件数576件のうち、生活保護受給者の収入申告と本市の税務部門からの課税情報をケースワーカーが照合して行う課税調査によるものが418件で、全体の72.6%を占めております。また、ケースワーカーによる金融機関、生命保険会社等の関係先への調査によるものが127件で、全体の22%を占めており、この2つの調査で全体の9割以上を占めております。このほかに、県税事務所や不動産業者等の関係機関からの通報によるものが17件、住民からの通報によるものが13件、監査等の指摘によるものが1件となっております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございました。ケースワーカーによる発見が多いというようなことでありますけれども、一般市民からの情報によって不正受給として確認したものは何件あるのかお伺いいたします。そのうち生活保護の廃止となったものは何件あるのでしょうか、過去3年ぐらいについてお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  生活保護における不正受給についての御質問でございますが、住民からの通報により発覚した不正受給件数につきましては、平成21年度5件、平成22年度6件、平成23年度13件となっており、このうち保護の廃止となったものは、平成21年度1件、平成22年度1件、平成23年度2件でございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。平成23年度の不正受給でありますけれども、件数が576件、約3億9,943万円とのことでありましたけれども、これについて、納付された金額と未納額について、また未納となったものはどのように処理されているのかお伺いいたします。あわせて、過去3年ぐらいの不納欠損金の額についてもお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  生活保護における不正受給についての御質問でございますが、平成23年度に法第78条を適用し、不正受給となった金額である3億9,943万2,063円のうち、不正受給が認められた時点から既に5年が経過し、時効を迎えたことにより徴収対象とならない金額を除きまして、生活保護返還金として調定した金額は3億5,766万9,424円でございます。この金額のうち4,948万2,213円が収納済みであり、3億818万7,211円が収入未済額となっております。未納となりました返還金につきましては、催告状の送付や福祉事務所による納付指導、分納誓約書を徴収するなど、翌年度以降も滞納整理に努めているところでございます。しかしながら、失踪等による債務者の居所不明、債務者の死亡による相続人の相続放棄などを理由として、納期限から5年を経過した時点で不納欠損処分としているところでございます。また、不納欠損処分を行った金額につきましては、平成21年度は9,984万2,541円、平成22年度は1億4,496万2,648円、平成23年度は1億2,224万2,873円となっております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございました。少なからず金額的には驚いてしまったわけでありますけれども、生活保護制度の適正で厳正な運営を行うために、市民からの生活困窮者や不正受給に関する情報を受け付けるホットラインというものも設置する必要性があろうかと思うのでありますけれども、こういったホットラインの設置に対する考え方をお伺いいたします。
◎健康福祉局長(伊藤弘)
  生活保護における不正受給についての御質問でございますが、住民から通報が寄せられた場合には、福祉事務所において速やかに通報の対象者が生活保護受給者であるかどうかを確認し、受給者である場合は通報内容の事実確認を行うとともに、その内容が生活保護の適正実施に反する行為である場合には、必要な指導または指示を行っているところでございます。こうした通報を通じて、現在、健康福祉局及び各福祉事務所宛てにさまざまな情報提供をいただいておりますので、現時点ではホットラインの設置については考えておりません。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。本市においては考えていらっしゃらないということでありますけれども、他都市の状況を見ると、結構、年間何百件近い情報が寄せられているというような事例もございますので、政令市ではまだどこもこういったホットラインを設置していないということでありますので、できれば川崎市は、政令市で初めて、1番目にこういったホットラインを設置していただければなと要望させていただきます。