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■朝鮮学校の補助金について
◆松原成文
 4款こども費1項1目こども青少年総務費でございますけれども、これにつきましては事前の意見調整をさせていただきましたけれども、なかなかうまくいかず、不調に終わったということがあるのでありますけれども、そういうことも含めまして御答弁をいただければと思います。まず最初にお伺いしたいのは、朝鮮総連と朝鮮学校の関係についてでありますけれども、政府の公式見解というのはどのように認識されているのか伺います。また、政府の公式見解に対して、補助金支出についてはどのように考慮をされているのかお伺いいたします。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、朝鮮学校と朝鮮総連の関係につきましては、平成24年3月の衆議院予算委員会において当時の国家公安委員会委員長が、朝鮮総連は、朝鮮人学校と密接な関係にあり、同校の教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識していると答弁をされております。本市といたしましては、朝鮮学校と朝鮮総連との関係に関して見解を述べる立場にはございませんが、当該補助金はあくまで市内にある朝鮮初級学校に学ぶ幼児や児童の健全育成や教育を保障する観点から交付を行っているものでございます。以上でございます。
◆松原成文
 政府の公式見解といたしましては、朝鮮総連は、朝鮮人学校と密接な関係にあり、同校の教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているという認識であるということでありますけれども、これに間違いございませんか。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、ただいま答弁申し上げましたとおり、国会の衆議院議員の予算委員会の中で国家公安委員会の委員長が発言しているとおりと認識しているところでございます。
◆松原成文
 そうしますと、先ほど御質問をさせていただきましたが、政府の公式見解に対して、この補助金支出についてどのように考慮されているかということでございますけれども、どのように考慮されているのかお伺いいたします。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、本市といたしましては、市内の朝鮮初級学校で学ぶ児童等の健全育成や教育を保障していくことが大切なことと考えておりますので、補助内容を厳正に審査した上で適切な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。
◆松原成文
 そうしますと、本市の支出分については国の対応と同様ではないということになってしまうのですが、それでよろしいでしょうか。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますけれども、本市の補助金については、先ほど申し上げましたとおり健全育成や児童の教育の権利を保障するために支給しているものでございますので、自治体の判断で補助金を支出するということで御理解いただきたいと存じます。
◆松原成文
 そうしますと、国の対応とは同様にならない場合もあると考えているということでよろしいのでしょうか。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますけれども、国の公式見解と本市の今回の児童の健全育成や教育を保障する観点から出している朝鮮学校補助金とは、交付を行っているところの意味合いが若干異なっておりますので、国の対応と同様とならない場合もあるかと考えているところでございます。
◆松原成文
 わかりました。国の対応とは同様にならない場合もあるという御答弁だったと思います。
 次に、これは平成22年12月16日第5回市議会定例会で私、質問しておりますけれども、当時のこども本部長の答弁でありますけれども、本市としては神奈川県の補助を補完する立場で補助を行っているので、このたびの県の決定を踏まえながら補助金交付については慎重に判断すると答弁をされておりますけれども、例えば国、県、近隣都市の動向に対する本市の考え方についてお伺いをいたします。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、国、県及び近隣他都市の動向につきましては、それぞれ交付または交付しようとしている補助金の内容やその与える社会的な影響等を考慮して、最終的には個々に判断がなされるものと認識しているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 わかりました。神奈川県の補助を補完する立場で補助を行っている本市で個々の判断ということでありますけれども、神奈川県の考え方に同調する考えはないのかお伺いいたします。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、本市におきましては、神奈川県がこれまで補助してきた学校運営に係る経常的経費とは別に、学校で使用する教材教具の購入や研修に要する経費、保護者が負担する授業料の一部などの補助を補完的に行ってきたところでございますけれども、補助金の交付に関する判断につきましては、補助の目的や性質のほか、その時々の社会状況も踏まえながら個々の自治体が判断するものであり、今回は県の判断と異なったものと認識しているところでございます。
◆松原成文
 わかりました。そうしますと、どのような社会情勢になったときに本市としてはこの補助金については凍結、あるいはまた計上しないというような考えになるのかお伺いいたします。
◎岡本隆 こども本部長
  朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、具体的な事象について今申し上げることはなかなか難しいと思いますが、今回、県が計上を見送った理由の一つに今回の核実験等がございましたけれども、私どももそれへの対応策といたしまして、新聞等で公表いたしましたけれども、保護者の方々、あるいは児童の方々に川崎の拉致問題についてもっとよく知っていただくということで、保護者補助金の一部を減額して、啓発物品を保護者の方々にお配りして啓発を行うというような対応をとりました。そういった類いで今回は対応しましたけれども、今後さらに国際社会に反するような対応がとられたようなときには、もう一回判断をし直さなければいけないと認識しているところでございます。
◆松原成文
 わかりました。ミサイルの発射ですとか核実験ですとか、延坪島に対する砲撃、死者も出ております。こういったことについては川崎市としては考慮していないのだというふうにも聞こえるのですが、これは非常に国際社会の平和を乱す重要なことであるのではないかと私は思っております。朝鮮学校補助金問題は北朝鮮による日本人拉致問題解決のため極めて重要な問題であると認識しております。川崎市はこれまで総額で約3億3,500万円が支出をされております。2月12日、北朝鮮が3回目の核実験を国際世論を無視して強行しました。これを受けて市長は、強い憤りを覚える、世界平和に対する重大な挑戦だとコメントを発表し、首長として暴挙に強く抗議するとしました。また、大島議長も、我が国政府が北朝鮮に断固とした態度で対処することを切望するとの声明を発表いたしました。  黒岩神奈川県知事は、編成中の来年度の当初予算に約6,300万円の県内5校の朝鮮学校への補助金計上を見送りました。再開の可能性については北朝鮮が国際社会に受け入れられる変化及び朝鮮学校と北朝鮮政権が一線を画しているというメッセージがなければ難しい、極めてハードルは高いと言われております。埼玉県でも来年度当初予算案に補助金の計上をしませんでした。その理由として、核実験やミサイル発射、拉致事件への対応であります。至極当然の対応と思います。神奈川県では黒岩知事の対応について抗議する声もありますけれども、神奈川県、埼玉県の両知事の英断に私は支援をさせていただきたいと思っております。東京都では平成24年度予算で朝鮮学校への補助金を計上しないことを決めました。これは従来の凍結より厳しい対応であります。また、先月2月27日、横浜市会の本会議で林市長の答弁でありますけれども、抗議の意思は別の方法で示していくが、場合によると補助金の執行を再考せざるを得ないというようなことも言われております。また、本県大和市では、特定の国籍を持った児童らに支援することは公平性に欠けるという判断で、来年平成25年度の当初予算計上を見送りました。横田めぐみさんの家族を支援するあさがおの会の田島代表も、県の補助金ストップに賛成というようなことを話されております。文部科学大臣は、朝鮮学校を高校無償化の対象外とするため政令改正を明らかにいたしました。  神奈川朝鮮中高級学校の校長が現指導者への忠誠と愛国教育を進めていくということは、朝鮮総連が北朝鮮に送ったDVDの映像からも明らかになっているということであります。このことからも北朝鮮の3代世襲に基づく思想教育が行われているということがうかがえるのではないでしょうか。朝鮮学校の運営主体は朝鮮総連であり、総連は北朝鮮政府と一体であり、その幹部6人は北朝鮮の国会議員でもあります。また、校長が総連幹部、学園理事長、教育会会長を兼任兼務しているということも聞いております。総連と学校は一体化していることがうかがえます。子どもには責任はない、あるいは人権問題だという声も聞きますけれども、感傷的になることはこの問題に関しては禁物であると私は思います。北朝鮮、韓国、中国は反日教育が徹底しています。反日教育がすり込まれています。朝鮮学校はもともと朝鮮総連が中心となり設立した学校でありますけれども、学校と総連の関係が明確になるまでは、本市といたしましてもこの問題については慎重に取り組むべきと思いますので、今後の検討をさらに要望して、質問を終わります。
◎阿部孝夫 市長
  ただいまの朝鮮学校補助についての御説、承りました。大変深い御意見でございまして、いろいろと考えさせられるところがあります。ただ、私はアメリカで領事をやっておりまして、第2次世界大戦のときに強制収容された日系の方々と知り合いがありまして、当然、日系の2世、3世の方々ではアメリカ側に立って戦争に行った人たちもいるわけでございます。そして、その強制収容問題はアメリカでも長い間大きな問題として尾を引いてまいりまして、とうとうアメリカ政府は謝罪をいたしました。そういったことが頭の片隅にございますし、また、日本にいる朝鮮学校の子どもたちについても、北朝鮮関係者だけではなく、韓国の関係者もおりますし、その子どもたちを今度は日本政府が、あるいは自治体が人質にとるような行為をするのがいいのかどうか、正直言って大変迷っているところでございます。そういったことで、今回は拉致被害者がいるんだぞということを十分認識した上で勉強してくれよという趣旨で、大体1カ月分の補助金について横田めぐみさんの救済関係の資料を現物で支給するという判断をしたものでございます。今後ともこの点については、私自身大変迷っておりますので、御意見を賜りたいと思います。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございました。補助金とこの北朝鮮の学校の問題は非常に関係があると思います。しかし、こういうふうに話している間にも横田めぐみさんの御両親にはもう時間がないわけでございます。悠長なことを言っている時間もないわけでありますので、少なからずある程度横田めぐみさん、あるいはまた拉致被害者の方々の立場に立った考え方も必要であるのかなということも申し上げて、質問を終わります。