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■生活保護の不正受給と福祉事務所について
◆松原成文
  次に、生活保護の不正受給と福祉事務所について、まず健康福祉局長にお伺いいたします。平成22年度、生活保護法第78条――これは不正受給のことでありますけれども、この資料をいただきましたが、川崎区の適用件数が突出しております。その背景と要因についてどのように分析されているのか伺います。また、全市の収納率の平均が11.8%でありますけれども、幸区は4.0%、多摩区は5.69%でかなり低い収納率でありますが、この理由についてお伺いをいたします。また、収納率向上に向けた取り組みについての考えを伺います。
◎健康福祉局長(木村実)
  生活保護法第78条に基づく返還金の徴収についての御質問でございますが、初めに、川崎区の生活保護受給世帯は、区内に川崎、大師、田島の3カ所の福祉事務所がございまして、平成24年5月現在の川崎区における生活保護受給世帯数は8,956世帯で、全市の生活保護受給世帯数の38.41%を占めております。このため、法第78条適用件数におきましても、他の区よりも件数が多くなっているものでございまして、全市件数に対して36.02%と生活保護受給世帯数の割合とほぼ同じ比率となっております。次に、区ごとの収納率につきましては、1件当たりの返還決定額が大きい場合には、収納されるか否かにより収納率に大きな差が生じるものでございまして、年度により区ごとの収納率が大きく変動する結果となっているものでございます。また、返還金の収納率向上に向けた取り組みといたしましては、各福祉事務所の関係職員から構成される生活保護滞納債権確保・適正管理推進会議を設置し、福祉事務所相互の取り組みについての情報交換を行うとともに、返還金収納に対する職員の意識の向上や情報の共有化による連携強化に努めているところでございます。こうした取り組みの結果、平成23年度においては収納率が向上する見込みでございまして、引き続き収納率向上対策の強化を図ってまいります。以上でございます。
◆松原成文
  通告はしておりませんけれども、川崎区と幸区を合計すると、生活保護受給世帯の50%近く、そしてまた、第78条についても50%近くということでありますが、これについての背景、要因についてどのようにお考えかお伺いいたします。  
◎健康福祉局長(木村実)
  川崎区、幸区の不正受給世帯の割合についてでございますが、生活保護の受給件数全体の中の不正受給の発生率で見ますと、全国的には1.6%程度と言われておりまして、両区とも割合としては同程度でございまして、市内の区別の比較で両区の件数割合が高いというのは、受給世帯数そのものが多いことに比例しているものであると考えております。受給世帯数自体が多い理由といたしましては、川崎区は管内に多数簡易宿泊所があること、あるいは川崎区、幸区両区には第二種社会福祉事業宿泊所が多くあること、あるいはホームレスが集中しております川崎駅周辺地区を抱えているというようなことなどが理由で受給世帯数が多くなっていると考えております。以上でございます。
◆松原成文
  ありがとうございます。返金に関して収納できないで時効となった件数もあろうかと思いますけれども、この時効となった件数と金額及び収納不能となった理由についてお伺いいたします。  
◎健康福祉局長(木村実)
  生活保護費の返還金についての御質問でございますが、不正受給に関する返還金につきましては、平成22年度では56件、5,117万3,769円について時効が完成し、不納欠損処分を行ったものでございます。その理由といたしましては、返還金発生時には既に納付するべき資産がないため分割納付指導としたものにつきまして、失踪等による居所不明、債務者の死亡による相続人の相続放棄などによるものでございます。以上でございます。
◆松原成文
  ありがとうございます。生活に困窮された方が必要な支援を受けるというのは当然でありますけれども、増加を続ける生活保護に係る事務に対する各福祉事務所の現状についてお伺いをいたします。  
◎健康福祉局長(木村実)
  福祉事務所における生活保護事務についての御質問でございますが、本年4月1日現在、9福祉事務所において生活保護を担当するケースワーカーは、世帯類型別基準に基づき、国の定める標準数である生活保護受給世帯80世帯に対し1名の配置として288名いるほか、ケースワーカーに指導助言を行う査察指導員が44名、医療・介護扶助を担当する係長11名、面接担当係長11名を配置しているところでございます。また、平成20年秋のリーマンショック以来増加し続けている生活保護受給世帯への適切な支援を可能とするため、ベテランのOB職員による援助指導員を初めとして、就労支援を行う自立生活支援相談員や年金専門員など非常勤職員を配置し、生活保護受給者の自立支援を図っているところでございます。以上でございます。
◆松原成文
  ありがとうございます。最後でありますけれども、本市の職員の2親等以内の親族で生活保護の受給の実態はあるのか伺います。また、実態があることを確認された場合の対応についてもお伺いいたします。  
◎健康福祉局長(木村実)
  扶養義務者についての御質問でございますが、本市の職員の親族の資産状況あるいは生活保護受給の有無につきましては把握しておりませんが、生活保護受給者の親族に扶養能力があるか否かにつきましては一定の調査を実施しておりまして、扶養義務者に扶養能力があると認められた場合には、本市職員であるかどうかにかかわらず、生活保護受給者との関係性を確認しながら扶養の履行を求めることとしているものでございます。以上でございます。
◆松原成文
  御答弁ありがとうございました。