議会リポートに戻る
■学習状況調査について
◆松原成文
まず、13款1項5目教育指導費について伺います。本市では平成17年度から毎年、確かな学力の育成として学習状況調査及び学習意識調査を実施しております。問題等の作成は実際に学習に携わる教員が全国レベルのノウハウを持つ学習状況調査の専門機関の協力を得て取り組んでおり、結果の分析についても同様とのことですが、平成17年度から昨年度まで、また、本年度も東京書籍株式会社に随意契約で業務委託をされておりますけれども、これについて教育長に答弁をお願いいたします。
◎教育長(金井則夫)
  学習状況調査等の業務委託についての御質問でございますが、本市においては、平成17年度から中学校の全学年を対象に、国語、社会、数学、理科、英語の5教科の調査及び2年生においては家庭での学習や生活実態等を含めた学習意識調査を実施しております。また、小学校につきましては、5年生を対象に、国語、算数の2教科の調査及び学習意識調査を実施しております。学習状況調査の問題作成、分析、報告書作成等の業務につきましては、作問委員会の教員が事業者の協力を得て取り組んでいるところでございます。なお、採点につきましては、各学校の教員が行っております。  本事業の実施に当たりましては、作問や問題編集、結果データの分析等について高度の専門性や応用力が求められること、本市の教育方針に理解があり、教育委員会と協力して作業を推進できることが重要と考えております。このため、事業実績や専門的知識、能力等について総合的に最適な事業者を選定することが必要なため、平成17年度、平成20年度及び平成23年度にそれぞれ複数の事業者から企画提案や技術提案を提出していただき、その中で最もすぐれた事業者と契約するプロポーザル方式を実施してまいりました。実施に当たりましては、川崎市学習状況調査委託業務プロポーザル評価委員会設置要領に基づき評価委員会を設置し、事業実績、受託作業体制、専門的知識・能力、事業への積極性などの評価基準に基づき、各事業者の提案書の適正な審査により評価を行っているところでございます。その結果、プロポーザル評価委員会において東京書籍株式会社が選定されたところでございます。以上でございます。
◆松原成文
御答弁は、複数の業者から企画提案、技術提案をいただき、提案者の適正な審査により東京書籍株式会社が選定されたとのことでございました。参考までにお聞きをいたしますけれども、本市中学校では昭和43年度から学力調査を実施しておりますが、当初より平成16年度までの問題の作成、採点の処理、データの集計及び分析はどのように行われていたのか伺います。あわせまして、神奈川県並びに横浜市の学習状況調査の作問の作成方法、また、その結果の分析方法について伺います。
◎教育長(金井則夫)
 本市の学力調査についての御質問でございますが、平成16年度までの中学校の川崎市学習診断テストにおける問題作成につきましては、作問委員会を設置し、各教科7名の教員に作問委員を委嘱し、問題作成に当たってまいりました。採点処理及びデータの集計につきましては、各学校において各教科担任が採点をした後、学習内容の定着を図るため、授業において生徒に設問ごとに解説を加えながら返却しております。また、作問委員会の教員が各学校の抽出生徒の解答を集計、誤答分析をし、報告書にまとめ、各学校に配付し、指導方法の改善に役立ててまいりました。  次に、神奈川県及び横浜市の学習状況調査の作問方法と結果の分析方法についてでございますが、神奈川県では、作問委員に委嘱された教員が作問し、結果の分析方法につきましては、県教育委員会が抽出校のデータを集計し、分析していると伺っております。横浜市では、作問委員に委嘱された教員が作問し、その妥当性について専門の業者が検討した上で問題を確定し、結果の分析方法につきましては、横浜市教育委員会が各校のデータを集計し、分析していると伺っております。以上でございます。
◆松原成文
 平成16年度までは本市の教員の皆様がそれぞれ御努力をいただいて、試験問題をつくっていたということでございますけれども、神奈川県の作問については、作問委員会に委嘱された教員が作問するとの答弁ですが、私が調査したところでは、教員及び教育委員会の指導主事の方も作成に加わっているというふうにお聞きしております。また、横浜市では委嘱された教員が作成し、その妥当性について専門の業者が検討した上で問題を確定すると答弁をいただきましたけれども、業者委託は全教科ではなくて、国語だけということでございます。東京書籍株式会社は教科書を初めとする出版事業を営む企業と承知しております。東京書籍株式会社が学習状況調査及び学習意識調査の専門機関と言えるのか伺います。
◎教育長(金井則夫)
 選定事業者についての御質問でございますが、学習状況調査及び学習意識調査の事業者選定に当たりましては、川崎市業務委託有資格業者名簿に当該業務に直接該当する種目がございませんので、その他電算関連業務種目に登録されている事業者の中から、作問や問題編集、結果データの分析等に関する類似業務に実績のある複数の事業者を指名いたしました。その上で、平成17年度、平成20年度及び平成23年度に実施されたプロポーザル方式において、東京書籍株式会社が専門的知識・能力や受託作業体制、事業への積極性等で評価委員から最もすぐれた評価を得たところでございます。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。当該業務に直接該当する種目がないのであれば、選定方法を変えればいいのでありまして、公募を行い、応募者全員に提案書を提出させる、あるいは応募者の中から選定された業者のみが提案書を提出するなどの選定方法があります。これは意見として申し上げます。  それと今、東京書籍にすべてを委託しているように答弁がありましたけれども、私が調べましたらば、株式会社学習調査エデュフロントというところが東京書籍に委託したものをまた委託されて、事務処理をしております。問題の発送、解答用紙の回収、採点処理、データエントリー、コンピューター処理、データ集計の分析、出力帳票の発送等々を行っております。東京書籍が実際に行っているのではなくて、そこから委託されたこの株式会社学習調査エデュフロントという会社がそういったコンピューター等々の入力をしているということを御認識いただきたいと思います。  平成17年度当初より東京書籍株式会社が7年間随意契約で業務委託をしておりますけれども、公平性、透明性の観点からの見解を伺います。
◎教育長(金井則夫)
  業務委託契約についての御質問でございますが、プロポーザル方式の実施に当たりましては、川崎市に業者登録されている事業者の中から業務の実績や規模等を考慮し、各年度それぞれ4社から7社の指名した事業者により、川崎市学習状況調査委託業務プロポーザル評価委員会設置要領に基づき評価委員会を設置し、企画提案書の審査やヒアリングを行い、専門的知識・能力や受託作業体制等の評価基準により委託業者の選定を行ってまいりました。その結果、東京書籍株式会社が選定され、契約をしてきたところでございます。なお、評価結果につきましては、参加事業者に評価項目ごとの配点や総合順位について情報提供するとともに、閲覧に供し透明性を図っております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。公平性と透明性ということについて見解を求めておりましたけれども、透明性についてだけの答弁しかいただくことができませんでした。特定の業者が有利になることが懸念されますということを指摘させていただきます。  最後に、今後もこれまでと同様の方法で業者選定を行う予定なのか伺います。
◎教育長(金井則夫)
 今後の事業者選定方法についての御質問でございますが、本事業につきましては、かわさき教育プランの実行計画に沿って、平成17年度から平成22年度まで3年間ごとに事業効果や実施方法等について検証し、効果的に実施できる知見を得たところでございます。したがいまして、単年度ごとに事業内容について検証し、翌年度の充実した事業実施につなげていけるよう、本年度から年度ごとにプロポーザル方式を実施し、最も適した事業者を選定してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。今までは3年に一度だったのを今度は単年度ごとにということでございます。公募がなく、選定された業者のみが提案できる標準プロポーザル方式ではなくて、公募型プロポーザル、あるいはまた、企画競争方式を導入すべきということを指摘いたしまして、質問を終わります。