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■中学校教科書採択について
◆松原成文
 まず、中学校教科書採択につきまして、特に、公民、歴史なのでございますけれども、質問をさせていただきます。教育長、よろしくお願いいたします。昨年度、総務委員会で中学校教科書採択に関する請願、第124号というものが出されたんですけれども、この趣旨は、平成23年の中学校教科書採択では、教育基本法及び学習指導要領改正の趣旨に最もふさわしい教科書を採択していただきたい、こういう内容でありまして、これは採択をされたわけでございますが、この結果を踏まえて、本年度実施される中学校教科書採択の取り組みについて、教育長、お願いいたします。
◎教育長(金井則夫)
 教科用図書の採択についての御質問でございますが、教科用図書の採択に当たりましては、平成24年度使用教科用図書採択方針の調査審議の観点において、教育基本法、学校教育法の理念の実現に向けて、学習指導要領との関連などの観点を設け、調査研究会、教科用図書選定審議会等で調査研究、審議を行い、地方教育行政の組織及び運営に関する法律等に基づき、教育委員会がその責任と権限のもと、公正かつ適正に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 次に、率直にお伺いをいたしますが、自衛隊は憲法違反なんでしょうか。
◎教育長(金井則夫)
 自衛隊についての御質問でございますが、政府の見解として、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や憲法第13条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきこととしている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条は、外国からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合に、これを排除するために必要最小限の範囲で実力を行使することまでは禁じていないと解され、そのための必要最小限度の実力を保持することも禁じてはいないと解されると示されているところでございます。一方、憲法の規定と自衛隊の実態についてはさまざまな意見があると認識しております。以上でございます。
◆松原成文
 国の防衛や災害派遣で活躍している自衛隊について、憲法違反と疑える集団として記述している教科書も見受けられますけれども、どのような見解をお持ちかお伺いいたします。
◎教育長(金井則夫)
 自衛隊の記述についての御質問でございますが、教科書目録に登載されたすべての公民、歴史の教科用図書において、自衛隊について、政府見解のほか、多様な意見が記載されておりますが、中学校学習指導要領解説社会編では、各国が自国の防衛のために努力を払っていることに気づかせるとともに、自衛隊が我が国の防衛や国際社会の平和と安全の維持のために果たしている役割などに触れながら、我が国の安全とアジア、ひいては世界の平和をいかにして実現すべきか等について理解させるような内容になっております。教科用図書の採択に当たりましては、種目ごとの種類を絞り込むことなく、採択方針の調査審議の観点に基づき、すべての教科用図書について調査研究、審議を行い、教育委員会がその責任と権限のもと、公正かつ適正に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
 ありがとうございます。
◆松原成文
 次に、拉致問題についてお伺いいたしますけれども、拉致問題は、国民的課題であり、許すことのできない人権侵害、国家犯罪であると思いますが、お伺いいたします。
◎教育長(金井則夫)
拉致問題についての御質問でございますが、日本人の国民性として、家族愛、地域愛が根底にあり、大切なものと考えておりますので、拉致問題は決して許すことができない人権侵害行為であると認識しております。以上でございます。
◆松原成文
 拉致問題について、日本政府の方針どおりに記されておらず、この問題があたかも北朝鮮との友好関係を阻害している問題であるかのように記述している教科書も見受けられますけれども、どのようにお考えかお伺いいたします。
◎教育長(金井則夫)
 拉致問題の記述についての御質問でございますが、教科書目録に登載されたすべての公民、歴史教科用図書において、拉致問題についてさまざまな記述がされておりますが、先ほども述べましたとおり、拉致問題は人権侵害行為であると認識しておりますので、教科用図書の採択に当たりましては、採択方針の調査審議の観点に基づき、すべての教科用図書について調査研究、審議を行い、教育委員会がその責任と権限のもと、公正かつ適正に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
領土問題についてお伺いいたしますけれども、竹島、尖閣諸島及び国家主権の侵害について、外務省の公式見解と異なる領土見解を唱える教科書等々についてはどのように考えるかお伺いいたします。
◎教育長(金井則夫)
 領土問題についての御質問でございますが、教科書目録に登載されたすべての公民の教科用図書において、北方領土などの領土問題について、政府見解のほか、領有をめぐっての関係国との主張の相違などが記載されておりますが、中学校学習指導要領解説社会編では、領土、国家主権、主権の相互尊重、国際連合の働きなど基本的な事項を踏まえて理解させるとなっております。また、外務省の公式見解においては、北方領土などは日本固有の領土であるとされております。教科用図書の採択に当たりましては、すべての教科用図書について調査研究、審議を行い、教育委員会がその責任と権限のもと、公正かつ適正に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
次に、学習指導要領では、国旗・国歌の意義と相互に尊重することが国際的儀礼というふうに理解させることを求めておりますけれども、きちんと教えていない教科書があると思いますけれども、見解を伺います。
◎教育長(金井則夫)
 国旗・国歌についての御質問でございますが、教科書目録に登載されたすべての公民の教科用図書において国旗・国歌の記載がございますが、中学校学習指導要領では、国家間の相互の主権の尊重と協力との関連で、国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ、それらを尊重する態度を育てるよう配慮することとなっております。教科用図書の採択に当たりましては、教育委員会がその責任と権限のもと、公正かつ適正に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆松原成文
ありがとうございました。昨年度採択されたということも含めまして、意見、要望をさせていただきたいと思います。教育委員会は、教科書の装丁や見ばえだけでなくて、内容を考慮した綿密な調査研究を行い、各採択権者の権限と責任のもと、地域実情に最も適した教科書を採択していくことや、教育基本法、あるいはまた、改訂内容、学習指導要領の改正を十分に理解して、公正で適切な教科書採択を行うように要望させていただきます。お願いいたします。