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■教育指導費について

◆松原成文

 13款1項5目教育指導費に関連して、外国人参政権について伺います。本市の市立高校の教科書、政治・経済及び現代社会でございますけれども、採用している教科書は教育出版、実教出版、帝国書院、第一学習社、清水書院、東京書籍、山川出版社の7社10冊の教科書であるのか。また、この教科書の中で最高裁判決を取り扱っている教科書は6冊であるのか。そしてまた、この最高裁判決を取り扱っている内容はいずれも定住外国人に地方参政権を認めることは憲法上禁じられておらず、立法政策の問題である、あるいは日本に定住する外国人に地方選挙の選挙権を導入することは憲法に違反していないなどの記述になっておりますが、これは間違いないかお伺いいたします。


◎木場田文夫 教育長
  各教科書における永住外国人地方参政権に関する記述についての御質問でございますが、本市で使用している政治・経済、現代社会の教科書は10冊でございます。その中で、最高裁判決を取り扱っている教科書は委員御指摘のとおり6冊でございまして、記述内容につきましては委員御指摘のとおりでございます。以上でございます。


◆松原成文
 ありがとうございました。それでは、各高校では、在日外国人の参政権についてはどのような授業が実施されているのかお伺いいたします。



◎木場田文夫 教育長
  永住外国人地方参政権に関する授業についての御質問でございますが、永住外国人地方参政権につきましては、先ほども御答弁いたしましたとおり、各教科書とも最高裁判決を紹介し、現在、さまざまな議論があるという事実を紹介するのみの記述となっております。したがいまして、本市における授業につきましても、そうした事実の把握に努めさせている状況でございます。以上でございます。


◆松原成文
 ありがとうございました。本市の高校で使用している教科書の実教出版、帝国書院、山川出版社については、最高裁判決の記述はございません。また、清水書院については、外国人地方参政権についての記述そのものがございませんでした。本市の高校で使用している政治・経済、現代社会の教科書は、10冊のうち6冊は最高裁判決を取り扱っております。定住外国人に地方参政権を認めることは憲法上禁じられていない、憲法に違反していないとの記述になっているようですが、平成7年2月28日最高裁判決の主文は明確に参政権は認めておらず、原告の請求を退けました。最高裁が外国人地方参政権について憲法上禁止されていない部分的許容説なども述べておりますけれども、これは傍論でございます。また、その後の最高裁判決につきましても、本論はもちろん、傍論でさえこのような言及は一切していないということを申し述べておきます。ありがとうございました。
  次に、13款1項5目教育指導費について、引き続き教育長にお伺いをいたします。全国学力・学習状況調査についてでございますけれども、まず全校参加――自主参加ではなく抽出調査に参加するに至った経緯について伺います。また、教育長はこれまでのこの議会の答弁で、全員参加型の調査の必要性とその重要性を何度となく強調されておりましたが、考えは変わっていないのかお伺いをいたします。



◎木場田文夫 教育長
 全国学力・学習状況調査についての御質問でございますが、全国学力・学習状況調査につきましては、全国的な状況との関係における本市全体の児童生徒の学習に関する状況を把握し、各学校が指導方法等の改善や教育委員会が教育施策立案等に生かすことができると判断をいたしまして調査への参加を決定してきたところでございます。これまで本市では、調査結果から全国的な関係における本市の児童生徒の学習状況の特徴をとらえ、指導方法の改善や教育施策の立案等に生かすとともに、いわゆるPISA型の学力をはかる出題から、新しい学習指導要領に示されているこれからの学習内容の傾向についても把握をしてまいりました。平成22年度の全国学力・学習状況調査の実施につきましては、文部科学省より従来の悉皆調査から抽出調査及び希望利用調査方式に変更するとの説明がございました。本市が希望利用調査へ参加した場合、採点や結果の集計及びそれにかかる費用、業務等は各自治体及び各学校が独自に負担することとなり、試算では、本市独自の学習状況調査の約2倍の費用が新たに必要となります。また、本市は独自の学習状況調査を平成17年度から小学校5年生と中学校2年生を対象に実施をしておりまして、全国学力・学習状況調査が2教科であるのに対して、本市調査の中学校の教科数は国語、社会、数学、理科、外国語の5教科となっております。広く生徒の状況が把握できるものとなっております。また、結果の取り扱いにつきましても、一人一人の学習状況を把握し改善することができるほか、教師の指導方法の改善、学校の教育課程編成に活用することや本市教育施策立案等に生かすことができているところでございます。本市はこれまで3年間全員参加型の全国学力・学習状況調査に参加をしてまいりましたが、3年間の調査結果を見ますと、いずれも全国の結果とほぼ同様の傾向を示しておりまして、今後は全国の結果と本市独自の学習状況調査をあわせて分析することで、本市の児童生徒の学習状況の把握が可能となり、指導方法の改善や教育施策の立案等に生かすことができるものと考えております。こうしたことを総合的に勘案いたしまして、本市といたしましては平成22年度の全国学力・学習状況調査には抽出調査のみ参加するとしたところでございます。以上でございます。


◆松原成文
 ありがとうございました。ただいま御答弁では、まず、財政面や自己採点など、教員の事務負担の増加を不参加の第一の理由として挙げている答弁ですけれども、財政や事務量の負担増が理由ならば、私は少し本質を間違っているのではないかなというふうに思います。
  次の質問をいたしますけれども、抽出調査について、教員、保護者の意見はどのようなものであったのかお伺いいたします。



◎木場田文夫 教育長
 全国学力・学習状況調査の抽出調査への参加についての御質問でございますが、今回の全国学力・学習状況調査の抽出調査への参加につきましては、小学校におきましては校長会長を通じ、また、中学校におきましては校長会において本市の方針を説明いたしましたが、特段の異論なく了承されたところでございます。また、この方針を周知するために、文部科学副大臣の通知並びに実施要領を添えた文書を全小中学校に配付するとともに、担当者を集めまして、改めて方針の内容を伝達したところでございます。来年度の調査実施について、事前に保護者からの御意見は伺っておりませんが、今後各学校におきまして、学校教育保護者説明会等を通じ説明会を行ってまいります。以上でございます。



◆松原成文
 ありがとうございます。不参加を決める前に保護者の声を聞かなかったということでございますけれども、非常にこれは残念であったのかなと思います。
  次回の調査方針及び目的はこれまでと同様であるのかお伺いいたします。



◎木場田文夫 教育長
 全国学力・学習状況調査についての御質問でございますが、調査方針及び目的につきましては、本年度までは全国的な傾向とともに、各地域や教育委員会ごとの児童生徒の学力や学習状況をきめ細かく把握・分析することが目的として示されておりましたが、平成22年度につきましては、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析することに重きが置かれているところがこれまでと異なる点でございます。以上でございます。



◆松原成文
 ありがとうございました。意見要望を申し上げたいと思います。抽出から外れた学校が自主参加する場合は文科省は無償で同一問題を提供するが、採点や集計、費用は自治体が責任を持つということになっておりますが、成績向上を求める保護者の強い声を背景に、継続的に学力の検査をするため抽出から外れても全校で受けたいと手を挙げる自治体が相次いでおります。抽出から漏れた学校の61%は自主参加し、結局7割を超える学校が参加することになりました。これまでの3回の学力テストの結果は、問題点を明確に示しました。そしてまた、抽出方法では目標があいまいになってしまうのではないかという懸念もあります。また、学力テストは児童生徒の学習生活習慣と学力の関係も調査しており、有益な情報を提供しているものと思います。また、サンプル方式でのデータは説得力に欠けるのではないかというふうにも懸念をいたします。全国学力テストは自民党政権がこぎつけた教育改革の大きな成果でありました。保護者の支持もあり、教育的効果のある調査として継続に努めていただき、教育調査を骨抜きにしていただかないように要望をさせていただきます。ありがとうございました。